衆議院・特殊法人等改革に関する特別委員会質疑録
2002年11月12日

保利委員長
 質疑を続行いたします。丸谷佳織君。

丸谷佳織
 公明党の丸谷佳織でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 今回の独立行政法人法案は、行政の効率化やサービス向上を図るために、まず政策立案部門は政府部内に残し、そして、政策の実施部門のうち、既に政策の意義が薄れているものに関しては廃止をして、そして、一定のキャッシュフローが見込まれて、競争条件の付与などにより効率化が図られるものは民営化をする。例えば、道路関連法人ですとか空港関連法人などは民営化し、そうでないものはエージェンシー化をするという流れであるというふうに整理をした上で質問をさせていただきたいと思います。
 特殊法人自体もそもそもエージェンシーだったのではないかというふうに言うことも言えると思うんですけれども、エージェンシー化の大きな目的であります自律性ですとか透明性が十分に確保されていたとは言えないために、あえて、行政から移行するものとあわせて、通則法で位置づけが明確化される独立行政法人への移行を図ることとなったというふうに思います。
 ですから、独立行政法人に関しては、評価手法を確立しいかに具体的に定量的な目標を設定するのか、いかに天下りや行政指導の排除などをし運営の自律性を確保できるのか、そして、民間の会計基準ですとかあるいは情報公開などを通じていかに透明性を確保するかが、法人の性格を規定する重要なポイントになっていくと思われます。
 そこで、まず国際協力機構、いわゆるJICAについてお伺いをしますが、このJICAは大変大きな機構に現在もうなっております。どのようにこのJICAの効率化を図られたのか。特に、ODAにつきまして、関係省庁間での効果的な実施を検討されているというふうに思いますけれども、どのような基軸で検討され、結果を導く努力をされているのか、この点についてお伺いをします。

川口国務大臣
 今委員が御質問になられたことというのは、なぜJICAを独立行政法人化するかということを考えるに当たっての一番基本的な部分にかかわることだと思って伺わせていただきました。
 それで、JICAが独立行政法人になりましたときには、今委員がおっしゃられたようなことがJICAに起こるということでございますが、まず、事業遂行において、JICA、国際協力機構でございますけれども、それの自主裁量性が当然高まっていくということでございます。
 そして、中期目標というものをつくりますので、それの達成度をきちんと評価委員会で評価をするという過程がございます。そして、そのときの評価の内容、業績の評価いかんによっては、理事長を初めとする経営陣といいますか役員陣、ここの人事の問題も生じてくるという、むちの部分もあるわけでございます。そういうことによって、この中期目標をきちんと達成していくということのインセンティブを与えているということでございます。
 それから、独立行政法人化になりまして、経営がより弾力化、効率化をするということでございまして、その結果として、業務がより効率的に、弾力的になっていくというメリットがございます。
 それから、委員も情報開示等についておっしゃいましたけれども、会計の処理や財務関係の情報開示が義務づけられますので、経営内容が透明化をされて、その結果として、みんなの目が光りますので、効率的な予算の執行が期待ができるということでございます。
 経済協力業務、この実施に当たりましては、各省が今までそれぞれ連携をしながらやってきたということでございますけれども、JICAが新しい形の独立行政法人の国際協力機構になるに当たっても、各省引き続き連携をして、こういった中期目標の管理を通じて、新しい独立行政法人の効率的で透明な経営が行われるように見ていきたい、そういうことでございます。

丸谷佳織
 今大臣の御答弁の中に、中期目標を定めて、そしてそれを評価し、その評価結果いかんによってはトップを首にしたりとかあるいは業務自体を廃止するようなことも当然なされるという御答弁がありました。
 この点について、独立行政のトップの責任という問題と、またこの独立法人自体の自律性、独自性というところの関係というのは非常に難しいものがあるのかなというふうに思うんですけれども、この独立行政法人のトップの責任という視点と、また独立行政法人の自律性について、この整合性はどのようにとられていこうとお考えになられるのか、この点についてお答え願えますか。

茂木副大臣
 急に出た質問でありますので。
 独立行政法人の場合も、中期的な目標に沿って省として一つの業績を評価し、委員御指摘のとおり、その評価によって、場合によってはトップの交代であったりとか給料も変わってくる。これは、恐らく、私企業においても株主というのがいまして、株主が、短期的にというか、中長期的にはきちんと経営がなされているか、こういうことに従ってトップの評価をし、また解任をし、場合によってはボーナスを上げるとか、そういうことを行っているわけでありまして、基本的に、中長期の目標に沿って評価をする、それに伴って人事の問題、それから業務の廃止等々も行っていくということは、必ずしも独法の自主性の阻害にはならない、このように我々は考えております。

丸谷佳織
 次に、細かい質問になるんですけれども、今回、JICAに関しての独立行政法人案を読ませていただきまして、その中に、海外移住に関する調査そして移住者の職業等の相談というものは、引き続き継続される事業として挙げられております。逆に、効率化を図るために、事業の内容の見直しとしまして、海外移住事業のあっせんというのは廃止をされているわけなんですけれども、実際に、例えば中南米地域の移住者の方、三世、四世という若い世代になられているというふうに認識をしますけれども、この方たちの定住状況と現状、また、期待される事業内容とはどのようなものというふうにお考えになるのか。
 また、在外公館でも、例えば邦人の生活の相談ですとかいろいろな事業をしていると思うんですが、ここの重なる部分、どのように役割分担をされるのか、この点についてお伺いをします。

茂木副大臣
 お尋ねのございました中南米への移住事業でありますが、国によりまして若干の違いがあるんですが、過去一世紀余りの歴史を経まして、移住者はおおむね安定、定着の域に達している。そして、その中核をなしておりますのは、丸谷委員おっしゃるとおり、これまでの二世から、三世そして若い四世、こういう形で移ってきております。
 そんな意味におきまして、移住者の皆さんが既に定着の域に達している、こういうことから、事業の中で、移住者の送出事業であったりとか、さらに入植地の事業、これは移行に伴いまして廃止をさせていただく。また、移住者に対します融資事業につきましても平成十七年度をもって廃止を予定いたしております。
 その一方で、今いらっしゃる移住者の方、高齢の方が非常にふえていらっしゃる、そういうことで高齢者の皆さんに対する対策。もしくは、三世、四世となってくると、日本語が必ずしもよくわからない方もいらっしゃる。これは、丸谷先生、ポーランドの方で日本語の教師もされていたということでありまして、我々よりもよく御存じだと思いますが。そういった新しい世代に対する人材の育成とか教育、こういった新しい課題が出てきているな、こういうふうに考える次第であります。
 そういう中におきまして、基本的な邦人の保護等々は、これは領事移住部そして在外公館で担当させていただきますが、この入植者、移住者に関しますいろいろな事業につきましては、新しい国際協力機構そして在外公館、さらに本省の領事移住部が連携をさらに密にしながら新しい課題に対応していきたい、このように考えております。

丸谷佳織
 この質問をさせていただきましたのも、在外公館は、非常に少ない人数で広い地域を持っている公館もあるのが現状ですが、例えば在外邦人に対して非常に対応が冷たいですとか、いろいろな御指摘等もいただいているものですから、例えば、ではこの事業はJICAでやってくれるからいいやといったような投げやりな態度をとらないように、また、外務省の在外公館に勤めている者も責任の押しつけ合いにならないようにという期待を込めて質問させていただきました。今副大臣からこういったお答えをいただきましたので、どうか、そこの邦人また移住者に対する気持ちというものは、縦割りでは決してない、前向きな取り組みをお願いしたいと思います。
 続きまして、それでは国際交流基金について質問をさせていただきます。
 国際交流基金の目的は、国際文化交流事業を総合的かつ効率的に実施し、我が国への理解を深めるという大変大きな目標でございますけれども、効率化を図るために、外交政策上必要性の高いものに事業を限定して事業量を縮小するというふうになっています。
 私は、この点、非常に疑問を感じております。というのは、国際文化交流の非常に大きな目的を、外交政策上必要なものに限定をして予算を縮減することで達成できるのかどうかという点について、考え直さなければいけないのではないかと思います。
 今までも続けてこられたように、例えば外交戦略上必ずしも主戦場ではない地域であるものの、日本の多額ではない予算の中で国際交流をしていくことでの外交上に与える副産物というか、よい結果というのはあったというふうに私は認識をしておりまして、それを、ただ外交政策上必要性の高いもの、低いものと限定をしてしまって予算を圧縮するというのは目的にかなうのかどうか、この点について疑問なものですから、今後、文化交流をどのように進めていかれるのか伺うとともに、国際文化交流という、数字での評価がなかなか難しい分野についてどのような評価の基軸をお持ちになっていられるのか、この二点についてお伺いをします。

川口国務大臣
 文化交流は、私は、経済協力と並んで、日本が外交政策を実施していく上で非常に重要なツールだと考えております。
 世界にいろいろな問題がある中で、やはり、より長いスパンで物事を考えるときに、文化交流が大変に重要であるという認識を各国とも持ってきているわけでございます。人間と人間の間の相互理解が深まるということが、特に若い人たちがそういう理解を持つことは、国と国の関係を長期的によくしていくということに非常に効果があると思います。
 それで、文化交流の効果というのは、直ちに短い期間で効果が目に見えるかというと、そこはなかなか難しい問題だと思います。それから、政府、国際交流基金以外のさまざまな組織がまた文化交流をやっているわけでございまして、そういったところにも伸び伸びと活動をしてもらわなければいけないということだと思います。
 そういう意味で、外交政策上必要性の高いものに限定しということでございますけれども、それの内容は、委員もおっしゃるように、より長い将来を見たときに外交政策上非常に重要になってくるような、先ほど委員がおっしゃったような、今直ちに非常に重要な地域でないとしても、それが重要になっていくというような部分も、外交政策上は必要であるということに含まれるというふうに思っていまして、例えば文明間の対話、これはイスラム圏と一緒にやっていますけれども、こういったことも、直ちに効果が出るということではないけれども、非常に重要な問題だと思います。
 こういったことも含めまして、特に、外交政策上の広い意味でのニーズということを反映することが必要でして、この観点で、国際交流基金も引き続き、効率的に資金を使って文化交流をやっていくということが大事だと考えております。

丸谷佳織
 もう一つ、先ほど副大臣からもお話がございましたけれども、日本語の普及について。
 私も以前、日本語教師をポーランドでしていたことがあるわけなんですけれども、今、JICAの青年海外協力隊員にしても、あるいは国際交流基金から派遣される方にしても、日本語を海外で教えたいという若い方あるいはシニアの方、非常に多くなってきております。
 日本の戦略としまして、英語を使えるようになろうということも必要ですけれども、初等教育から日本語を教えることによって、より海外の方に日本語を話してもらうという戦略も、一つ非常に有効な手段として持っていなければいけないと私は思いますので、この日本語の普及ということに関しては、非常にニーズも多いですし、力を入れていくべきだというふうに思いますが、やはりどうもここに縦割りの障害を感じてしまうことがあります。
 というのは、海外で日本語を教える場合には外務省の所管なんですけれども、その先生が日本に帰ってきて、では、外国語として日本語を外国人の方に教えようとすると、いきなり文科省の所管になられて、海外の青年協力隊でやってきた方が帰ってきて仕事を探すときに、どうしても、外務省の所管ではないものですから、うまく人材の活用が回っていかないという現状があります。
 この日本語の普及について、JICAもそうですが、国際交流基金も同様の事業を行っているわけです。エージェンシー化になった目的の一つに、より省庁の壁を超えるという利点もあると思うので、より弾力的な事業内容にしていただきたいというふうに思いますけれども、この日本語の普及についての事業のあり方をどのように考えていらっしゃるのか、お伺いします。

茂木副大臣
 丸谷議員が御指摘のとおり、日本語を話せる人、そして、それを通じて日本の文化であったりとかいろいろなことを世界の国々の皆さんに御理解いただく、それは、これから我が国の外交にとっても、国益にとっても大変重要だと思っております。
 そういった意味で、さまざまな機関が海外等におきます日本語の普及のための事業等々を行っておりますが、御指摘のように、例えばこの国際交流基金が行う事業と、そしてまた文化庁であったりとか文部科学省の事業、錯綜している部分はあるのではないかな、そういうこともこの際きちっと見直して考えていきたい、こんなふうに思っておりますし、私個人的にも、この問題には大変問題認識というのは持っておりまして、また委員の方からも御指導いただいて、必要な見直しというのは進めていきたいと思っております。

丸谷佳織
 どうもありがとうございます。
 エージェンシー化したことによって弾力的な運営をとることができるというか、省庁の縦割りを超えることができるというのは、本当に、文化面あるいは人材を活用していくことにおいては非常に有効に働いてくると思いますので、どうか、今御答弁いただいたような形で常に見直しを加えながら、よりよい独立法人にしていただくようにお願いをして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。