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衆議院・青少年問題に関する特別委員会質疑録 |
2002年6月13日 |
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青山委員長 次に、丸谷佳織さん。 丸谷佳織 公明党の丸谷佳織でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 十五分という短い時間ですので、早速、質問に入らせていただきたいと思うんです。 本日、四名の参考人の皆様から御意見を賜りまして、この青少年と薬物乱用の問題に関しまして取り組むべき四本柱というか、一つ目は、興味本位から青少年たちが薬物の乱用に走っていくことを事前に食いとめるための予防策、二つ目は、興味本位であっても、一回使用した、次の二回目あるいは三回目、四回目をどうやって防いでいくかというそのやめさせ方、三つ目は、自分でやめようと思ったときにどのようにリハビリあるいは社会復帰への道の手助けをしていってあげるのか、そして四つ目としては、再発をどのように予防していくのか、この四点について、政治の面からでも環境整備でできることは非常に多いなというふうに感じながら、お話をお伺いしておりました。 そこで、まず上村参考人にお伺いしたいのです。 公明党としましても、この青少年と薬物の問題にずっと取り組んでまいりまして、薬物乱用防止キャラバンカーを少なくとも全国八ブロックに一台ずつは欲しい、増設するべきだという議論を今までしてまいりまして、今は八ブロックに各一台ずつあるわけでございます。それは非常に大きな結果を生んでいると思いますし、また、全国二万人の指導員の積極的な活動により、子供たち、それからお母さんも一緒に見ていただいて、こういうことを子供たちにやらせてはいけないというふうに学習されているという話、体験談も多く聞いているわけなんですけれども、八台の稼働実施状況を見てみますと、地域差があるなというふうに思います。多く稼働している地域と、あるいは、あき、あいている日がある地域というのは実際にあるわけなんですね。 私たちも、いろいろな党の活動を通しまして、お母さんと子供たちにこの薬物乱用防止キャラバンカーを利用していただくような機会を多くつくっているわけでございますが、ぜひ財団としても、営業というと実利を得るわけでないのでちょっと言葉が違うかもしれないのですけれども、どんどん積極的に活用していただけるように、地域あるいは教育委員会ですとか、そういうところにもっと働きかけをしていくことによってこのキャラバンカー八台がフルに使われることになると思うんですけれども、この点について、今後の努力も含めて御意見をお伺いしたいと思います。 上村参考人 改めて申し上げるまでもございませんけれども、全国八つのブロックごとに一台置いておりますので、地域によりますと、活動日数が少ないところもございます。お互いに補うように私どもの事務所で調整しておりますが、どうしても車の置いてある場所に近いところの方が出動しやすいことは確かでございます。 近畿地方では、大阪の堺それから神戸に置いてあるわけです。神戸の方は四国までカバーする。北海道は札幌、それから東北地方に置いてあるわけですが、北海道の場合、冬は非常に動かしにくいというふうな事情もございまして、場合によりますと、関東の方に車を持ってきたりするような運用の仕方もいたしております。 できる限り地元の、置いてある地域の要望にこたえられるように配車はしておりますけれども、どうしてもそこに凹凸ができてくることは避けられませんで、何とかそれが調整できるようにしていきたいと思います。 平成十三年度の場合には、年度の途中で、余りにも方々から要請がありますので、自動車がうまく稼働できるかどうか心配になりまして、しばらく保留したような時期も出てこざるを得ませんでした。御要請があったように、何とか満遍なく、といいましても、要請される地域が多い地域と少ない地域がありますので、そこにどうしても限度が出てまいる点は御了承いただきたいと思います。 丸谷佳織 今おっしゃったことを踏まえて、私が申し上げたいのは、もっと地域にどんどん積極的に使用してもらえるように、このキャラバンカーを十分使ってくださいというアピールを、町内会でだって使っていただけると私は思いますし、教育、学校の現場だけじゃないんですね、地域の問題、あるいはそこの全体の問題として使っていただけるような積極的な宣伝活動も、キャラバンカーの有効利用もしていただきたいというお願いを再度申し上げておきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。 続きまして、近藤参考人にお伺いしたいと思うのです。 お書きになられました「薬物依存を越えて」という本を私も拝読いたしました。その中で感じましたことは、シンナーを吸い始めた子供に対して、家庭の中で何とかやめさせようとしていくうちに、大抵のケース、十数年が過ぎて、そして非常に残念な結果、親が子供を殺してしまうという事件の例も書かれていましたけれども、この十数年の間、本人も家族も何とかシンナーをやめようと思っている間、本人と家族の取り組みでしか、あるいは努力でしかなかったのかな、もっとほかに助ける手段がなかったんだろうか、しかも十数年も長い間、そういうことを感じながら思ったわけです。 例えば、ハワイの例も挙げていらっしゃいますけれども、この解毒センターといいますか、やめようと思ったときに駆け込めるようなシステムは日本にはまだ足りないというふうに御意見でおっしゃっていらっしゃいましたけれども、環境づくりとして、これは政治の場ですぐできることだというふうに思いますが、この点についてちょっと参考の意見を聞かせていただきたいと思います。 近藤参考人 私は、三年前にグアム島に行きました。グアム島で、少年や青年たちが健康保険を使わないでトリートメントできるというので、そこがとても興味深かったのですね。なぜ、保険証を使わないでそういう治療に結びつけるのか、そのシステムをちょっと勉強したかったのです。 グアムのシステムでは、びっくりしたのは、子供が治療しやすいように、お父さんやお母さんや家族にも知られない、学校の先生にも知られないようにして治療できるために、子供のアナニミティー、匿名性、そのためにそういうシステムがあるんだということを聞いて、つまり、何か制度があって、そうじゃなくて、第一にすべきことは、だれのために、どうして、何のためにそういうものが必要なのかということ。 子供の薬物問題は、恥、家族の恥、社会の恥、そういう部分が日本は特に強いでしょう。そうすると、抱え込んでしまうわけですから、家族が何とかできると思って一生懸命やればやるほど、依存症ですから、どんどん強依存になって回復の方に向かわない。 何か日本にも、未成年者の薬物乱用者に対するそういう具体的な対策というのですか、つまり、治療したいと思ったら、名前も何も要らないよ、それからインテークも要りません、あなた、薬物の問題を解決したかったら、名前も要らないし医療費も免除しますよ、どうぞ来てくださいというような、そういうシステムが必要だと思います。 もう一つは、きのう夜中に韓国から帰ってきたのですが、韓国のケースはとてもひどかったのですけれども、とにかく、ダイバージョンですね。犯罪者をつくらないということ、犯罪者をつくると、犯罪者の家族、子供がふえていって、結局、国のために何にもならない。犯罪者をつくるだけじゃなくて犯罪から回復の方にそらしていく、そのシステムを、今、APARIという、そちらの方に資料が入っていますけれども、保釈で出た人たち、あるいは執行猶予で出た人たちが、その間、その中で勉強したりミーティングしたりする場所なんですが、それは群馬県藤岡というところにあります。 古い、つぶれたホテルを月三十五万で借りて、一生懸命頑張っています。裁判の際、保釈金を積んで、つまり、保釈金を積めるような裕福な人ですが、保釈金を積んで出て、刑期を言い渡されるまでの間の教育をそこでやっているんですけれども、とてもすばらしい効果が出てきますね。一度また刑務所へ戻っていく人たちも当然います。でも、帰ってきてから、もとの場所に行かないで、直接またそういう場所に戻ってくるということで、アフターサポートの中では、APARIの保釈プログラムというのはとても有効に機能しております。 もう一つは、何でしたか。(丸谷委員「例えば解毒センターとか、このような公的な機関があったらということについて」と呼ぶ) 斎藤先生を目の前に、医者は役に立たないということは余り言いたくはないんですが、医療は、違う病気をまたつくってしまいます。病気にならないと病院に入らないでしょう。それから、病院というところは、薬物依存にどういう治療をするかというと、やはり投薬治療をします。依存症ですから、投薬治療に今度は依存していきます。つまり、生きる力をどんどんそいでいきます。 だから、そういう人たちが、薬を飲みながらミーティングに出たり、いろいろな地域の自助グループに参加しても、余り効果がないということになりますから、何かトリートメントセンター、とりあえず急性期の一番最悪な時期に解毒していく、そういう場所はないんですね。電話をかけまくるんだけれども、ほとんどが、医者がいないとか、ベッドがあいていないというのが理由ですね。 そういう意味では、精神保健センターなんかは、どこでも町の真ん中にあるんですから、医療もあるわけですから、ああいうところがそういう急性期の患者さんをやってくれたらとても助かるんですけれども。わざわざそのために病院をつくる必要もなく、そういうお医者さんがいて、カウンセラーもいるわけですから。ただ、土日が休みとか、何曜日は何時までということなので、曜日にかかわらず、いつでも急性期にそういう場所があれば、とても私たちは助かるわけです。 丸谷佳織 斎藤参考人にお話をお伺いしたいのですけれども、先ほどの発言の中に司法に関する御発言もあったわけなんですが、日本の法体系と例えばオランダなんかでは、合法ドラッグですとか、そういったところで基準が違ったりします。こういったことも含めて、現在の日本における薬物を囲む法体系、法体制について、何か御意見があればお伺いします。 斎藤参考人 先ほど来話しているように、ドラッグ問題というのは一つのカルチャーだと思います。日本の場合は、一定の薬物に思い定めて、これをどうやって入れないかということに極力邁進してきた。そして、それらを、麻薬ないし覚せい剤、大麻というふうな取締法をつくって取り締まってきた。これが我々のカルチャーです。だけれども、それはちょっともう限界に来ているんじゃないですか、こうお話ししたわけですね。 私たちが今必要としているのは、先ほどダイバージョンシステムの話が出た途端に近藤さんの体験が出てきましたけれども、今、そのような司法の直前の問題を治療で補うというような考え方、これは残念ながら日本の考え方ではないんですが、これを必要としていた国というのは、その問題に早くから名前をつけ、気がつき、その数が膨大であることに気づいた国、そうなると司法がこれを賄い切れないことがわかっている国で発達してきた。そういうところでは、自助グループや、さっき話が出たアドボケートを非常に活発に使っている。これは、そのような国が不幸だというふうにお考えにならないで、日本はそのような問題を見ないできた、こういうのを否認といいますが、否認してきたというふうに考えた方がいいのではないかと思う。 それから、ドラッグの取り締まりについては、私もWHOのジュネーブの特別委員会に、九五年まで十年間にわたって参加してきました。そこでの一般的な傾向を申し上げますと、ハードドラッグと言われているもの、日本で麻薬と言われているものの一部を解禁していこうと。特にマリファナについては、たばこがなぜ公認されていてマリファナはだめかみたいな話まであるくらいで、マリファナ・イエス、たばこ・ノーなんという話もあるわけです。 しかし、体制として、日本はせっかくこれだけ、百年以上かけて一生懸命やってきて、それなりに効果もあったんです。とりあえず、この問題が隠れた問題におさまっていたということはやはり認めなくちゃいけない。 だから、これを全く転倒するような、例えば、コカインその他を市場に、マーケットにはんらんさせてしまえば、アメリカみたいにこれに悩んでいる国は、定価が下がりますから麻薬ビジネスが成立しないので、ブラックマーケットをオープンにしちゃうことによって効果が出てくる。 それから、例えばヘロインにおけるコデイン、代替療法というのがありまして、割と軽い薬物、麻薬を使って、それを上げるからヘロインはあきらめてねという治療法ですね。 それから、針でエイズの感染が大変問題になりますので、これはスイスとかオランダ、アムステルダムが特にそうですが、針を上げるからこれを使ってちょうだい、使い回しをしないでねと。 でも、これらの国は非常に追い込まれているんです。私は、ジュネーブに毎年行っていたころ、土地のテレビを見ていましたら、ジュネーブですからスイスですが、山中にたくさんの血のついた注射器と針が発見されたみたいなニュースがあって、このような問題がもう日常茶飯事になっている。私がエイズになったのは国がヘロインを非合法化していた結果で、それでやみで使ったからこういう病気になったといって政府が告訴された国はスイスです。私たちがスイスという国に持っているイメージとは大分違うが、しかし、こういうのとは全然違う国を日本が目指そうと思っても、それは無理だと思う。 そうなると、先ほど言ったような、効果的な、専門家に限ってそこで密室的に処遇しようとしないで、近藤さんが言ったように、私は精神科医として、このドラッグの問題の対策に失敗したこと、私の一人の力じゃどうしようもないことを認めます。我々ができるのは、せいぜい解毒治療です。デトックス、これは急性期の人を死なないように管理することですね。さめたら帰す。数日の入院です。多くは一日だけです。しかし、これ一つつくろうとしない。 では、この人たちはどうやっているかというと、いわゆるトラ箱と呼ばれているのが、アルコール依存という薬物乱用についてだけは、警察官が処遇して、さめてから帰すということをやっている。この辺ですと鳥居坂、その他全部で四カ所あったと思いますが、これはデトックスです。 しかし、デトックスが医療の中ではなく司法の中で取り扱われているのは、デトックスというのは解毒ですね、こういう国は珍しいのではないかというふうに私は思います。 丸谷佳織 名執参考人、時間がなくなりまして申しわけありません。 以上で終わります。ありがとうございました。 |