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衆議院・沖縄及び北方問題に関する特別委員会質疑録 |
2002年7月11日 |
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萩野委員長 次に、丸谷佳織さん。 丸谷佳織 公明党の丸谷佳織でございます。参考人の三名の皆様、きょうは本当にありがとうございます。 二年前の十一月には、この沖縄北方問題特別委員会におきまして、藤原根室市長また小泉理事長、お越しくださいまして、御意見を述べていただきまして、私も質問をさせていただきました。本日、御意見をお伺いしておりまして、この二年間、皆さんの御要望に、あるいは御意見に対して本当に一つ一つ結果として出すことができたんだろうかと一議員として反省をしながら、またきょう皆さんの御意見を聞かせていただいてもおりました。 二十分という時間ですから、早速質問に入らせていただきたいというふうに思いますけれども、まず、和田先生にお伺いをしたいと思います。 先生が新聞ですとかあるいは外交、安保関係の雑誌に寄稿されたものを拝読いたしました。その中で私が理解しておりますのは、この北方領土問題におきましては、友好の増進と領土問題解決のための条約を結び、歯舞、色丹の返還をまず約束させる、国後、択捉というものに関しては、交渉の期限をまた設定して、部分返還交渉による打開策というものをとっていくことも、これは大きな前進の一つであるというふうに主張されていると理解をしております。 私もこの方法は外交の手段として根強く残るものだというふうに同じ思いをするんですけれども、例えば期限を区切る、あるいは時間の設定をするということに関しまして、以前、二〇〇〇年というめどを立て、クラスノヤルスク合意から基づいて、元島民の皆さんですとか日本全体が非常に期待を膨らませた結果、これがなかなか思うように進展しなかったときの反作用といいますか、失望感というものがまだ最近のことで根強く残っているものですから、時間の設定、期限を限定しての交渉というものに対して一抹の不安も感じる次第であります。 例えば十年、十年後に国後、択捉の交渉をしていくということに関して、どのような根拠でお考えになっていらっしゃるのかということをまずお伺いしたいと思います。 和田参考人 今先生が私が述べておる議論を御紹介してくださいましたが、大筋においてそのとおりでございますけれども、もうちょっと述べさせていただきます。 私、「北方領土問題」という本を九九年に書きまして、非常に領土交渉が行き詰まっておるときでございましたので、そこで巻末に私の提案を述べさせていただきました。 その中で私が述べましたことは、まず五六年の共同宣言の約束を再確認してもらって、そして二島を将来、平和条約を結んだら返すということを確認してもらう、再確認してもらう。そしてその上で、十年間、四島を対象とします共同経済活動というものを行って、そして、島民の人々あるいはサハリン州とも協力関係をつくり上げていく。そういう変化の上で、十年後にもう一度、残り二島についての交渉を行って、そこで平和条約を結ぶように期す。 二島返還というのは、先行して二島返還をするということではないわけでございます。最終的に四島というものを平和条約を結んで実現することが目標でございますが、今のような段取りをとったらどうかというふうに私は考えたわけでございます。 ですから、お尋ねの点につきましては、十年間、四島と経済的な交流というものを行う。それは、日本の主権主張を害さないような特別な法制的な枠をロシア側と話してつくりまして、それを進める。こういうふうな案になっておるわけでございます。 以上です。 丸谷佳織 それは、とりもなおさず日本とロシア間の、また国民同士の理解と友好の増進につながり、そして、その経済協力は、変わり行くロシアを見ながら大体十年をめどにされたということだというふうに、理解をさせていただきました。 続きまして、交渉相手として、今、プーチン大統領がいるわけなんですけれども、現在のロシア政権を相手に交渉するというのは、非常によい時期、モーメンタムを得ているというふうに思います。というのは、さきのカナナスキス・サミットの中でもロシアの正式加盟が決まりましたし、また、プーチンは非常に高い支持率を得て、政権自体も安定をしている、また、首脳会談もことしの末あるいは来年の年明けに行われるということ、それぞれを見ましても、また、先ほど参考人の御意見の中にもありましたが、プーチンが、五六年宣言というものをしっかりと自分の義務として理解をしているということを考えますと、交渉段階としては非常にいい状況にあるというふうに思います。 こういう状況を踏まえて、どのような点に注意をしながら日本は外交を進めていくべきというふうにお考えになられるか、この点について、和田参考人にお伺いします。 和田参考人 大変難しい御質問であるように思いますが、お述べになられました、プーチンを相手に交渉を進めるのにはよい時期だという点は、私も全く同じ意見でございます。 というのは、先般、ゴルバチョフ、そしてエリツィンとの交渉は、日本が非常に強い切り札、これだけは獲得したいということを出して交渉しましたが、いずれもほとんど政権の末期であって、ゴルバチョフは日本から帰るとすぐその年のうちに政権が崩壊してしまいましたし、エリツィンも、先ほど申したような状況でございます。ですから、新しい指導者が出てきて非常に支持を得ている段階で、時を移さずにそこで話し合いを詰めていくということが私はよいと思われます。 ですから、プーチンとの間にイルクーツク共同声明ができて、それに基づいて話を進めていくというのは非常によいタイミングであったにもかかわらず、混乱が生じましたことは、非常に残念でございます。 それで、今は再建していくというところでございますから、日本といたしましては、橋本総理の演説に始まった、日本にとってロシアは必要だ、ロシアにとっても日本が必要だろうという、この確認の上で、日ロ友好の政策をとっていくという方針は不動であるということを示しながら、返還され得るとロシア側が述べておる二島に対して日本がどのような政策をとるか、どのような条件を提示するか、そして、残りの二島についてどのようにそれを日本側に返してもらうように説得するか、やはりこのことを精力的にやる以外にはなかろうかと思います。 丸谷佳織 ありがとうございました。 今までの交渉の仕方を見てきても、例えば橋本・エリツィン会談がありましたが、余りにも一つの流れに頼ってしまうと、そこが崩れたときに何ら進展を得ない、そういうことも反省点として踏まえつつ、また議員外交等も推進しながら、これから多角的な交渉を、この非常にいい時期に重ねていかなければいけないということだというふうに思います。 続きまして、藤原参考人にお伺いをしたいと思います。 私自身も、北海道出身の議員としまして、根室沖、また羅臼沖の漁業の状態というものの視察等を重ねてまいりました。その中で、実際に、ロシアのトロール船という大きな船のもとで、日本の小さな船が資源の確保等も考慮しながら操業をされている、時には安全じゃないというふうに感じることもある、また、漁網の非常に大きな被害もまだ残念ながら出てきている状況をつぶさに見てまいりました。 これを踏まえまして、外務大臣も外交ルートを通じてロシアの方に即刻申し入れを行い、また、あちら側からも、わかりましたというような返事をもらえるにもかかわらず、毎年これが繰り返されている。というのは、先ほどの議論の中にもあったというふうに思いますけれども、実際に、ロシアの中央側とまた各自治体では、意思疎通というものがなかなか図られていないんだなというふうにも思うわけなんです。 先日も、羅臼沖の方にお伺いをしましてお話を聞いた中では、例えば、この日本という資源を持たない国において現在サハリン2プロジェクト等がございますが、油田事故があった際にも、情報伝達というもの自体、なかなか日本側には伝わらなかったと。油田事故による水域の環境汚染という問題も今後十分懸念をしていかなければいけない旨の、漁民の皆さんからの御要請もあったわけなんです。 こういった漁場の環境あるいはサハリン2プロジェクト等による環境汚染への懸念等、いかがな問題意識を現在お持ちになっているのか、藤原参考人にお伺いをします。 藤原参考人 お答え申し上げます。 ただいま御質問がありましたとおり、羅臼沖では、冬期間、一番多いときでは五隻というふうにカウントしておりますけれども、ロシアの大型トロール船がスケトウダラをねらって来ております。日本の羅臼の船は刺し網船でございますから、非常に漁獲が限られておる。そうした中で、トロール船がスケトウダラを一網打尽に持っていくというようなことがずっと続いているわけでございます。 そうした中で、外交ルートを通じまして要望しているわけでございますが、現在のところ、そういった実現は見ておらない、ロシアの大型トロール船の操業というのは中止になっておらない。残念ながらそういうような状況が続いておるわけでございます。 また、サハリンプロジェクトの油田開発事故等についてのお尋ねでありますが、私も、そういった事故が万一発生した場合は、サハリンからオホーツク沿岸、そして知床半島から根室等にも回ってくるんではないかというふうに、非常に懸念しております。流氷の流れ等を見ると、そういったことで油が回ってくるんではないかというふうに思っておりますが、これはあってはならない事故だと思っておりますので、今後とも、国等に対しまして、未然防止を要請していくつもりでございます。 以上です。 丸谷佳織 ありがとうございました。 予算措置の中でも、このような環境問題を未然に防ぐための措置というものをとっていかなければいけないというふうに思っております。 続きまして、最後になるかというふうに思うんですけれども、小泉参考人にお伺いをします。 以前に当委員会でも御意見を伺わせていただいた中で、命からがら日本に逃げてこられたというお話を本当に切実な思いでお伺いをしておりまして、本日も北方領土への墓参の慰霊について強く望まれる御意見をお伺いしまして、人道的な観点からも、何としてもこの北方領土への皆さんが望む形での墓参の慰霊というのを実現していかなければいけないなという思いでいっぱいでおります。 また、旧島民の皆様も非常に高齢になられているという状況を踏まえますと、後継者の育成というものも非常に重要かというふうに思いますが、現在、青少年後継者の育成に対しまして、どのような予算措置の中でどのように行われ、また、今後に向けてはどのような支援を望まれるのか、この点についてお伺いをします。 小泉参考人 お答えいたします。 島への思いということで、墓参事業でありますとかあるいは自由訪問等で参っておりますけれども、やはりいまだに墓参に行けないところもございまして、ぜひともこれらのところにつきましても行けるように、また希望する時期にお願いしたい。 それから高齢化でございますが、平均年齢七十歳、もともと、元島民一世といいますと一番若くても五十七歳でございます、当然でありますが。このような状況の中で、領土返還が長引いている、あるいはこれからいつになるか、なるべく早く解決をしてほしいのでございますが、この運動を引き継ぐために私どもは後継者育成をいたしております。 先ほどお話ししましたように、私どもの組織の中に支部が十五ございまして、それぞれの支部に青年部あるいは後継者の方々の集まりを持ちまして、我々一世からの運動の引き継ぎあるいは一緒に運動をする、こういうことをやっておりますけれども、何せ私どもの限られた予算の中でもございます。それから、後継者といいましても仕事を持っている後継者でございますので、集まるのはどうしても休日あるいは夜間というようなことになりますと、例えば場所の選定であるとか集まる人数、そういうものに非常に制限がございます。 私どもとしては、私どもの今までやってまいりました運動を、島の思いをあわせて後継者にお伝えをしていきたい、そのためには予算化を、何がしかの予算をお願いしたいというのが私のお願いでございます。 丸谷委員 どうもありがとうございました。 本日の御意見を十分に受けながら、外交ルートでも、また議員外交の中でも、しっかりとした一つの方向性を持って四島返還に向けて努力をしてまいりたいというふうに思います。 本日は、参考人の皆様、どうもありがとうございました。 |