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衆議院・農林水産委員会質疑録 |
2000年11月2日 |
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宮路委員長 次に、丸谷佳織君。 丸谷佳織 公明党の丸谷佳織でございます。 私は、本法案に賛成の立場から幾つか質問をさせていただきたいというふうに思います。 今回の法案の改正におきましては、農業経営の法人化を推進しまして地域農業の活性化を図っていくために、農地の権利を取得できる法人である農業生産法人の要件を見直していくという点が大変注目を集めたというふうにも思いますし、また議論のテーブルの中でも、激しい議論があったのではないかというふうに思います。 この法案につきまして、賛成反対それぞれの意見を持っていらっしゃる人が、それぞれの立場でいるわけなんですけれども、今回の法案を審議するに当たりまして、例えば競争と共生あるいは地域農業と経済活動を目的としている株式会社といったような二項対立の中では決して審議をするべきではないというふうに思っております。今回の法改正におきまして、家族経営をされていらっしゃる農家の皆さん、また、新たに今回の改正で門戸を開かれることになります株式会社、両方ともにメリットが出てこなければいけないのだろうというふうに私は思っております。 そこで、質問をさせていただきたいと思いますが、最近、増加傾向にございます農業の法人化形態と、農業の中心となっています、長い歴史の中で我が国の農業を担ってきました家族農業経営の関係をどう位置づけていこうとされているのか、法人化と家族経営の関係をどのように考えるのか、この点をまずお伺いします。 渡辺政府参考人 家族経営と法人というものは決して相反するものではございません。家族経営、現在、販売農家二百三十四万戸、主業農家で五十万戸であります。これに対して、農業法人というのは約一万、しかも、そのうち半分は一戸一法人という状況でございますので、いわば農業経営の法人化というのは、家族経営の発展の形の一つというふうに私は思っております。 なぜ法人化をすることにメリットがあるかということなんですけれども、家族経営は今後とも日本の農業の主流でありますが、その経営内容についてはやはり近代化を進めていく必要があると思います。例えば、家計と経営の分離、それから休日だとか給料の取り決めというものが必要でございますので、そういうことがやりやすいのは法人化ということなんだろうと思います。 先ほどの質問にもございましたけれども、法人化をすることによって経営管理能力が向上する、雇用者の福祉の向上につながる、新規就農の受け皿になる、もし担い手が何かあったときでも、経営は円滑に続いていくというふうなことでございます。 さらに、この経営自身を大きくしようとするときに、先生がおっしゃられたような株式会社という形態をとりますと、資金調達だとか事業運営が非常に効率的にできますし、人材の面でも、販路の面でも新しい可能性が出てくるということでございます。 ただ、株式会社ということになりますと、一番懸念をされております、構成員が転々変わるのじゃないかというふうなことについては、一定のきちんとした制限を設けて、家族経営の発展型としての法人化が進むような措置を、先ほど来、懸念払拭措置と言っておりますけれども、必要であろうということを考えております。 丸谷佳織 今のを整理させていただきたいのですが、家族経営と法人化の関係というのは、家族経営が発展していくことによって法人化という道も推進されるというような認識でよろしいのかというふうに思います。 では、法人化になるメリットはといいますと、資金調達がしやすくなるというような御答弁だったというふうに思うのですけれども、そうしましたら、今回の法改正の中で新たに門戸を開かれることになりました株式会社にとってのメリットという点はいかがになりますか。 渡辺政府参考人 繰り返しで恐縮なんですが、株式会社が農業に参入してくるということではなくて、今現にある農業生産法人が株式会社という形態をとれる、あるいは農業者がこれから法人化をしようとするときに、株式会社という形態も選択肢としてとれる、さらには、農業法人で農地を持っていない畜産とか園芸の法人が、農地を取得することによってその経営が広がるというメリットが出てくるわけです。 そして、その株式会社というのは、それぞれが株主という形で構成員がおりますから、その構成員の中も、先ほど答弁申し上げましたように、全体の四分の一の範囲、一株主当たり一〇%の範囲内において、例えば産直の方たちも入りますし、生協も入りますし、運送業者も入りますし、加工業者も入りますし、ということになりますと、株式会社側にとっても、例えば安定供給先を確保できる、あるいは自分の資材を安定的に買ってもらえる先が出てくるというメリットが出てまいりますので、両者にとって、制限、懸念払拭措置はありながら、お互いにそれぞれメリットが生ずるものと思います。 丸谷佳織 今回の改正に当たりまして、いろいろな議論がされてきました。その中で、例えば経済界の方に多いかというふうに思うのですけれども、指摘がございまして、転用規制というものを厳格にした上で、株式会社にも土地の取得というのを認めていく方が合理的であるとか、土地投機の懸念については、株式会社が農地を借りるときに用地制限を加えて、農業以外の用地に利用された場合には直ちに返却するとか、こういったことをあらかじめ定めておくことで解決できるのではないか、そういったことをした上で、一般の株式会社にも参入を認めていくべきではないかというふうな指摘もあったと思うわけなんですけれども、この点の指摘についてはいかがお考えになりますか。 渡辺政府参考人 確かにそういう議論もございました。転用のところだけ押さえておけばいいじゃないか、こういう話なんですけれども、やはり農村地域というのは、一つには、水とか土地を合理的に利用するために集落全体が一定の流れの中にあるということが大事であります。 そういうことも考えますと、地域で農業生産活動を行う者は、農地法の耕作者主義という前提の上に立って、その農地のすべてについて耕作をする、そして、その法人なり個人は必ずそこで農作業をする、そういったようなことが大前提であります。農地法の中では、農地を転用するかしないかということは事後的なことでありまして、農地を効率的に使っていくということが農地法の耕作者主義の大原則でございますので、そういう原則に立ちますと、やはり、あくまでも農業者が主体となった法人というところに範囲が画されるのではないかというふうに思っております。 丸谷佳織 そうしましたら、今回の法改正も耕作者主義に基づいた、これを否定して法改正ができるわけはございませんから、この耕作者主義に基づいたものでございますけれども、一部で議論が出るような、大企業が農地に入ってくるみたいな、そういった極端な批判というのをいただくような法案では一切ないという認識で再度御確認させていただきますが、よろしいですね。 渡辺政府参考人 大企業が入ってくるかどうかという点については、その可能性はないということを幾つか申し上げたいと思います。 一つは、今回の改正の中で、株式に譲渡制限がついているということが大きな要件になっております。いわゆる大企業というのは株式の譲渡制限はない、上場されているわけでありますので、そういう点で、まず一般論からいって大企業は入ってこない。 それから、今回参加できるものの範囲内というのは、農業生産法人になれるかなれないかというときの要件は、やはり、農地を全面的に使う農業者が主体となっている、そして、その構成員も限定をされているということでありますので、例えば大資本がそのまま農業生産法人になれるかといえば、例えば大企業が農業生産の売上高が半分以上を占めるとか、構成員の中で出資割合の四分の三を占めるということはないわけでありますので、私どもは、大企業が入ってくるという話は非現実的な話ではないかなというふうに思います。 丸谷佳織 では、次の質問に移らせていただきたいと思うのですけれども、今まで御説明をいただきました今回の法改正でのメリットというものを、これは十分に使っていかなければいけないというふうに思います。 特に、女性の視点で次の質問をさせていただきたいというふうに思うのですけれども、現在、農業就業人口に占めます女性の割合といいますのは、昭和三十五年以来、大体六〇%前後で安定してきている。しかし、こういった女性の方々は、働き盛りにおいて農業をし、育児をし、そして家事をしと非常に御苦労をされている面もあるという点があります。最近は、農業に従事をしていらっしゃる女性に対して、積極的に評価をしていくという傾向にはございますけれども、それはまだまだ十分だとは言い切れないというふうに思うのですね。 こういった農業についていらっしゃる女性の方々、今回の法改正によって、例えば、今まで何人かで集まって加工をして、工夫をしていろいろな製品をつくってきたようなチームが地域にあるというふうに思うのですけれども、こういった方々が、例えば法人あるいは株式会社をみんなでつくろうということで、自分の利益も得られるような、より経済的な部分で農業経営に参画していけるようになるのではないかなというふうな期待を、私は非常に大きく持っているわけなんです。 私と同年代の女性も、農業に嫁いだ方々は、OLを経験しているものですから、自分の労働に対して給与をもらってきた世代なんですね。だから、農業では、今までは無償でかなり犠牲を払ってきた部分もありますから、自分の労働に対して、きちんとした形で、対価としてお金を得ていこう、こういった傾向も特に最近強まっているのではないかなという気がするのです。 例えば、女性の方々が起業活動をしようとする際、実際に経営の仕方ですとか農業簿記ですとか、そういったことを知らなければ、これは可能性が広がったといっても実際には難しい話になりますので、こういった女性が起業活動をしようとする際に取り組みやすいような環境づくり、例えば、農協が中心になったり、普及センターが中心になって経営セミナー、研修をした際に、国として何らかの支援ができないだろうかというふうに思うわけなんですけれども、この点について御答弁をお願いします。 木下政府参考人 農林水産業あるいは農山漁村の活性化に大きく貢献しておられる女性が、意欲と能力を一層発揮し、担い手として活躍するためには、そのための環境づくりが必要だというふうに農林水産省としても認識をいたしております。 このため、食料・農業・農村基本法あるいは食料・農業・農村基本計画に沿いまして、一つは、農村女性の社会参画の目標の設定あるいはその達成に向けた普及啓発、農業に関連する起業活動に必要な情報の提供、また、農業技術の付与等を実施することとしているところでございます。 具体的な取り組みといたしましては、地域農産物などを活用した加工品づくりあるいは朝市での販売等、女性の起業活動への取り組みを支援するために、一つは、技術、経営に関する情報提供、それから簿記記帳などの研修の実施、また、女性が農産加工などの活動を行うための無利子資金の貸し付けなどの支援策を講じてきているところでございます。 このような中にありまして、女性の起業数も着実に増加をしてきております。平成九年には四千四十の事例でございましたけれども、平成十二年に調査したところによりますと、六千二百事例まで拡大してきているという状況でございます。 今後とも、女性の経営参画を促進していく観点から、さまざまな支援策について考えていきたいというふうに考えております。 丸谷佳織 十分なケアをしていただきたいというふうに思います。今後も引き続きこの問題についてはぜひ取り組んでいきたいというふうに思います。 では、次の質問に移らせていただきたいと思うのですけれども、「農業構造の展望」についてお伺いをしたいというふうに思います。 平成四年の新政策におきましては、平成四年から十年後程度の稲作を中心としました農業構造及び経営の姿というものが示されています。地域農業の基幹となっています経営体としまして、個別経営体が三十五万から四十万、また組織経営体というのが四、五万というふうにされていましたけれども、残念ながらといいますか、平成十二年度の現在とは大きくこの姿がかけ離れている。また、ことし三月に出されました「農業構造の展望」の中では、効率的かつ安定的な農業経営としまして、家族農業経営については三十三万から三十七万、一戸一法人を除きます法人経営及び生産組織については三、四万というふうに改めてされましたが、新政策と現実の乖離というものをどう総括して、新しい展望を示されたのか、特に、法人及び生産組織の三、四万という数は、最初に質問しました家族経営から法人化、こういった方向性も含めてお考えになったのかどうか、この点についてお伺いをします。 竹中政府参考人 「農業構造の展望」についてのお尋ねでございますが、これまでの農業構造の変化を振り返ってみますと、もちろん、経営部門によりましていろいろ差はあるわけでありますが、総じて経営規模の拡大は緩やかなものになっておりまして、この傾向は、土地利用型農業の中心であります稲作において顕著になっております。 特に、今お話がございました平成四年の新政策の策定以降、その時点で見込んでおりました昭和一けた世代の農業からのリタイアがおくれておりますこと等によりまして、平成四年に策定された「農業構造の展望」に比べまして、農業構造の改善がおくれているという面は否めないところでございます。 しかしながら、今後の農業構造の変化というものを見通しました場合、農業労働力の多くを占めておりますいわゆる昭和一けた世代の離農によりまして、農業労働力が減少いたしますとともに、世代の交代が促進されるものと見込まれることから、今後、地域の実情に応じた農地利用の集積の促進や担い手の育成等を進めること、あるいは価格政策につきましても、価格が需給や品質評価を的確に反映して形成されるように見直していくといったような施策と相まちまして、今後、農業構造の改善が進展していくものと期待しているところでございます。 今回お話にもございました「農業構造の展望」におきましては、そういった前提のもとで、今後、農業生産の相当部分を担うことが期待されます効率的かつ安定的な農業経営の数を、家族農業経営で三十三万から三十七万、法人や生産組織で三、四万などというふうに見込んでいるところでございます。 この法人なり生産組織で三、四万という見込みでございますが、現状で見てみますと、農業生産組織が四万二千程度ございますし、農業法人が七千弱ございます。今後、農業経営の法人化を推進するための各般の施策あるいは農業生産組織の活動の促進に必要な施策を講じていくことによりまして、平成二十二年におきまして、お話にもございました三、四万程度の効率的、安定的な法人経営あるいは生産組織が形成されることになろうというふうに見込んでいるわけでございます。 丸谷佳織 ただいま御説明いただきましたけれども、今回の法改正によりまして、「農業構造の展望」、平成二十二年度程度におきまして、効率的、安定的な農業経営としての農業経営戸数といったものを目指す、これを実現化させるためにも、今回の法改正が重要であるというふうな位置づけになってくるのかと、今の御答弁をお伺いして実際に感じました。 次に質問させていただきたいのは、今まで、なぜこの法改正が必要なのかという議論がありましたし、その説明を受けてきたわけなんですけれども、ただ、現場では、やはりまだいろいろ不安な声というものも実際にあるのも確かでございます。株式会社の参入について指摘されているさまざまな懸念というものを払拭させていくために、実効性のある措置として設けられました農地の権利取得を許可する際の審査の充実というものについて、次にお伺いをさせていただきたいというふうに思うわけなんです。 実際に、農業委員会の方々が非常な重責を担われるのではないかなというふうに思います。第三者ですけれども、想像してみても、今までも農業生産法人の農地の権利取得に際して審査というものは行ってきた方たちですが、今回は、申請書の記載事項ですとか添付書類の充実を図る、あるいは事業の種類、内容を慎重に審査される、また、農地の権利取得時に事業内容について指導を行う等の業務が加わるわけですね。 こういった農業生産法人とかを実際に指導するというのは、文字では簡単かもしれないですけれども、実際にはいろいろな知識ですとか研修、そういったものが必要になってくるのではないかなと思います。 また、農業生産法人の方が要件を欠いたときには、農業委員会の皆さんが要件を満たすように指導されて、指導してもだめであれば今度はほかの者に売り渡すように指導されるわけですね。 こういったことで、非常に重責を担われるのではないかなというふうに思うわけなんですけれども、この農業委員会の方々あるいは事務職員に対して、何かこれは国としてもフォローアップ、研修のようなものを行っていかなければいけないのではないかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。 渡辺政府参考人 確かに、懸念払拭措置というのをきちんとすればするほど、それのチェック体制というのが重要になります。その意味で、農業委員会にかけられる期待と責務は非常に大きいものがございます。何よりも、農業委員会自身がチェック能力のレベルアップをしなければならないわけでありますし、現行の体制でありますと、人数的にもそれが必ずしも十分でないという問題がございます。 そういう点からいきまして、今回、懸念払拭措置として定期的な報告とか立入検査等々も入りましたし、私たちは、農業委員会あるいは農業委員会の系統、農業会議等を通じまして、職員に対する研修あるいは担当者会議を実施して、職員の資質向上の取り組みをしたいと思っております。 各地域で農業会議のかなりレベルの高いところとそうでないところと差もございますので、そのキャッチアップをしたいなと思っておりますが、すべてを農業委員会にいわば丸投げするというわけにもまいりませんので、この際、やはりサポート体制として、地域全体で農業委員会の活動を支えるというふうな地域レベルの協議の場というのを、農業委員会のほかに、市町村、JA、農業生産法人あるいは農家の代表という方々で構成をして、バックアップ体制をとっていきたいというふうに考えております。 丸谷佳織 今、地域によって現実の中でも差はあるというふうに御答弁をいただいたわけなんですけれども、この差を本当に早く埋めていかなければ、実際に法改正によって皆さん、重責を担われるわけですから、非常な御苦労をされてしまうことになりますし、また、農業というのは地域コミュニティーを非常に大切にするという特性がございますので、そういった面での人間関係の御苦労などを少しでもおかけしないような形で、しっかりとした農業委員会のフォローアップというのを早くしていただきたいと思います。 もう一つ、今御答弁の中で、農業委員会だけではない、協議の場というのを設けるというお話をされておりましたけれども、協議の場を設けるというのは、この法案の中には実際に書かれてはいないわけですね。この協議の場というのをどのような性格にしようとされているのか、イメージがなかなかわかないものですから、これについて、この協議の場というのは、市町村あるいは農業委員会、JA、農業生産法人、農業者の代表が地域レベルで集まって、一体どのような協議が行われ、どのような効果を発揮させようとするのか、この点について確認をさせてください。 渡辺政府参考人 先ほど来お答えいたしておりますけれども、今回の農業生産法人制度の見直しの主目的は、一つは農業経営体それ自身の経営の向上ということでありますが、同時に、地域農業の維持、発展ということも大きな目的にいたしております。 農業は、御承知のとおり、土地利用型であれば水とか農地の合理的な利用ということが非常に大きな課題となります。農業生産法人といえども、地域社会の中で、集落なり地域社会のメンバーとして生活をしていく、企業運営をしていくということになりますので、そこではやはり地域全体が農業生産法人を指導していく、場合によると、いろいろな情報交換をしていくということが必要だろうと思っております。 協議の場というのを、今先生が指摘されましたように、市町村や農協や農業者の方々とつくるわけでありますけれども、その協議の場では、一つは情報の交換、農地がどこでどのような形で使われているか、一番の目的は効率的に使われているということであります。耕作放棄があってはいけませんので、農地がきちんと効率的に使われているかどうか、地域の水管理や農地の使い方が地域全体の社会と調和がとれているかどうか、それから、担い手は育っているのだろうか、具体的にどういう指導、支援をしたらいいのだろうかといったようなことにつきまして情報交換をする、あるいは指導をするというふうにしたいと思っております。 こういったことを通じまして、農地法が本来目指しておりますところが適切に実行されて、地域農業あるいは地域社会が健全に発展をしていくということを期待したいと思っております。 丸谷佳織 そうしますと、協議の場を設けることによりまして、用水路の整備ですとか地域社会の調和、集落を中心としました営農システムとの調和というのが成り立っていくのだろうなというふうに思うわけなんですけれども、例えば、これは十分に考えられることなんですが、この協議の場さえ設定できないような場合もあるのではないかなと思うのですね。あるいは協議が不調に終わった場合、実際に地域社会との調和のとれた農業生産法人の事業展開というものがどのように展開されていくのか、これについてちょっと御答弁をお願いします。 渡辺政府参考人 一点目の、場が設けられるか設けられないかということなんでありますけれども、実は、地域における協議の場というのは、私たち役所側の発想ではなくて、先ほどの答弁で申し上げた、どうやって農業生産法人制度の改革をするかという検討会の中で、むしろ農業者団体との間でお話し合いをして生まれたものでございます。 JAの系統組織も農業委員会の系統組織も、そういうものをぜひつくりたいということでございますので、役所からの指導もいたしますけれども、むしろ団体側が旗を振って、あちこちにそういうものがきちんとできるようにしたいと思っております。 それから、協議不調ということですが、協議という言葉を使いましたが、これは厳密な法律上の用語での協議あるいは協議不成立ということではなくて、そういう場を通じて情報交換をし、地域としてのコンセンサスをつくっていこうというふうにお考えいただけたらと思います。 丸谷佳織 わかりました。 最後に、一問、今法案とは関係ないのですけれども、質問させていただきたいと思います。 先日、ニュース番組を見ておりましたら報道されておりましたけれども、十月の十九日にアメリカの下院議員の方が、十七名、議員の皆さんとともに、日本の捕鯨に反対する両院一致決議案というものを下院の方に提出されました。この内容は、大統領に対して、日本がIWC決議を遵守しない限り、日本の国連安全保障理事会常任理事国入りに反対するということを求めた決議案なんです。 これは当然主流となり得べき主張ではないというふうに私は認識をしておりますけれども、これに対して、ああ、そういうものが出たのだなと言っているだけではいけないと思いまして、最後に一問、アメリカの下院に出されました決議案について、我が国は、当然ないと思いますけれども、安保理の理事国入りというのは我が国の悲願でもございますし、こういった方向性に何か影響が出るのか出ないのか、あるいは調査捕鯨に対する我が国の態度、姿勢等を何か変更させ得る決議というふうにとらえるのかどうか。この点について、最後にお伺いをします。 石破政務次官 お答えを申し上げます。 今委員から御指摘がございましたように、何を言っておるのかよくわからぬという話でありまして、捕鯨と安保理と何の関係があるのか、我々も理解をいたしかねておるところでございます。 ただ、いろいろ調べてみますと、それを言いたいわけではなくて、要は、日本に対して注意を喚起したのだということを言っておるようでございます。大きなお世話だとは申しませんが、委員に本当に日ごろから御理解いただいておりまして心から感謝を申し上げる次第でございますが、要は、調査捕鯨をなぜ我々はやっておるかということでございます。 御案内のとおり、鯨というのは、例えば一年で四%ふえるということになっておるわけですね。それは複利でふえますから、十五年ぐらいたちますと、鯨というのはあっという間に倍になってしまうわけであります。かわいそうであるから一頭もとってはならない、こういうのがアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなりの主張でございますが、そんなことをやっておりますと、鯨ばかりやたらとふえまして、鯨に食べられてしまう魚はどんどん減るわけでございます。それはもう海洋生態系というのを完全におかしくしてしまうわけであります。 私どもは、調査捕鯨をやっておりますのは、それは究極的には海洋資源の持続的な利用、そういうものをいかにして行うべきかという観点に基づいてやらせていただいております。そのためには、感情的な議論に訴えるのではなくて、本当にきちんとした調査をして、鯨は何を食べておるのか、どれぐらいふえるのかということを科学的に立証いたしました上で、きちんと国際社会で申し述べてまいりたい、かように思っている次第でございます。 なお、御案内のとおり、このことは、国際捕鯨取締条約第八条に定められました当然、私どもが持っておる権利でございます。そのことをどうか国民の皆様方にも世界の皆様方にも御理解をいただきまして、私どもとしては何ら今までの方針に変更を加えるつもりはございません。 丸谷佳織 総括政務次官、どうもありがとうございました。 実際に、二十一世紀、ボーダーレスの世界にはなりつつあるんですけれども、国際的な問題について視点がぼやけてしまうような議論のボーダーレスを決して起こさないような、そういった方向性で世界との対話に臨んでいただきたいというふうに思いますし、今回のアメリカ下院で出されました決議案については的外れであるというふうに申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 以上です。ありがとうございました。 |