衆議院・環境委員会質疑録
1999年4月16日

北橋委員長
 丸谷佳織さん。

丸谷佳織
 公明党の丸谷佳織と申します。
 おはようございます。よろしくお願いいたします。
 今回の環境事業団法の一部見直しにつきまして、大きく変わる部分は、融資事業を仮称日本政策投資銀行へ移管する点だというふうに理解しております。私ども、法案賛成の立場でございますけれども、一部事業内容の建設譲渡に関しまして、数点、質問をさせていただきたいと思います。
 この環境事業団法を改正した後、建設譲渡の中に地球温暖化対策緑地というのが新たに加えられた点というのは、非常に早急に取り組むべき大テーマであります地球温暖化防止を推進していくという点で大変重要だというふうに思われるのです。一方、国立・国定公園複合施設の内容で気になりますのが、先ほども小林議員が質問されていました、あの岡山県玉野市の王子アルカディアリゾートホテルのような豪華ホテル、先ほどの御答弁の中では中規模ホテルというお言葉を使われていましたけれども、見たところ豪華ホテルと言った方がいいのではないかと思うんですが、豪華ホテルの建設を今後もこの中で手がけていくつもりなのかどうかということをまずお伺いしたいと思います。
 現在、王子アルカディアリゾートホテル、先ほど御説明ありましたように、引き取り手も見つからず、そして不良債権となってしまっているわけなんですけれども、環境事業団の事業の中でこのようなホテルの建設というのは今後行われていくのでしょうか。お伺いします。

丸山政府委員
 リゾートホテル事業につきましては、現在は建設ができないようなことにいたしております。
 王子アルカディア事業につきましては、旧公害防止事業団法の時代における国立・国定公園施設建設事業の四号業務、私ども旧四号業務と申しておりますが、これで実施をいたしました。当時は、リゾート展開が各地で行われておりまして、国立公園の一部の地域への利用の過度の集中による環境悪化を防止する目的での整備ということで創設をされました。この旧四号業務は、平成四年、環境事業団への移行に際しまして廃止をいたしておりまして、現在は国立・国定公園複合施設建設事業、五号業務でございます。
 目標といたしますところは、自然の保護を図るということと、人と自然との触れ合いを推進するために必要な施設を一体的に整備するということでございまして、これは歩道とかいろいろな、人が自然と触れ合う拠点になるような、緑を復元したりいろいろなことでございますが、園地、それから野営場、キャンプ場でございますが、あるいはそのうちの宿舎につきましては、事務次官通達をもちまして、リゾートホテルの建設の受注はできないようなことになっているところでございます。
 結論的には、現在はリゾートホテルの建設はできないことになっております。

丸谷佳織
 確認なんですけれども、今の御説明の中では、旧四号業務と新五号業務を比較してお答えしていただいたわけですよね。その中で、国立・国定公園複合施設事業、例えば王子アルカディアリゾートホテルのようなものの、自然環境を守っていくというのはもちろん国の仕事なわけなんですけれども、この宿泊という部分では、時代の流れからいいましても、民間に任せていくべきであろうというふうに私も思いますが、この点についていかがかという点。
 また、この観点からしますと、複合施設について、環境事業団法の第十八条第一項第五号の政令で定められています宿舎という項目があるのですが、この宿舎という項目を今述べましたような観点から対象事業から外していくのが妥当だというふうに思われますが、その点についてはいかがでしょうか。

丸山政府委員
 公的な宿舎につきましては、現在でも特殊法人の業務の整理合理化の中で大変御指摘のような意見が強いことを十分承知しておりますし、環境の分野では新しい事業展開が環境事業団に求められておるわけでございまして、御指摘の点、宿舎を外すということにつきましては、よく検討させていただきたいと思っております。

丸谷佳織
 国民の目から見ても、だれの目から見ても、やはりわかりやすく、納得できるような簡素化された法人で、また一層の環境問題についての努力をしていただきたいというふうに思います。
 残りの時間をいただきまして、実は、ことしの四月の四日、北海道新聞にありました記事が非常にショッキングなものでしたから、これについて質問をさせていただきたいというふうに思います。
 この記事といいますのは「雪の酸性度 危険値迫る」というタイトルなのですけれども、この記事を読みまして、酸性雨というのは聞いたことがありますが、酸性雪という北海道にとっては非常に興味のある問題となってくるテーマなのですが、酸性雪の対策というのは一体国でどのようになっているのだろうかというふうに不安に感じたという道民の方の声が私のもとに届いているので、この残りの時間で質問させていただきたいというふうに思います。
 記事の内容をまずちょっと簡単に説明をさせていただきたいのですが、これは、北海道工業大学で土壌化学で教鞭をとっていらっしゃる教授の方が、一九八三年から札幌市にあります中央区と西区、雪の多いところでございますが、この二カ所で降雨と降雪の採取を毎日続けまして、酸性濃度の変化を調べてきました。その結果、一九八三年の雨の平均酸性度はpH五・七六に対しまして九八年がpH五・二二、十五年間の下降率は〇・五四でございました。一方、八三年の雪の平均酸性濃度はpH五・八一、そして九八年がpH四・九三と〇・八八下がっているわけなのですね。この調査結果をもとにしまして、このままでいくと近い将来、雪の酸性度がpH四・五という危険数値に達する可能性があるというふうに指摘をされまして、このpH四・五を割り込んだ雪が常時降った場合に、自然界の中和機能の能力を超えて、森林土壌に大きな影響を与える、このような記事の内容でございました。
 そこで、酸性雪というのは酸性雨と同一線上で考えてよろしいものなのかどうか、まず基本認識をお伺いします。そして、あわせまして、現在我が国でどのような酸性雪の調査がなされているのか、この二点、お伺いします。

廣瀬(省)政府委員
 お答えいたします。
 環境庁では、昭和五十八年より酸性雪も含めて酸性雨対策として調査を行っています。というのは、外国ではアシッドデポジションと言っておりまして、酸性にかかわるものを全部含めて申しております。そういうことで、調査は全体的にしていかなきゃいけないという考え方を持っております。それで、雨も雪もそれ以外も含めて採取しまして、pHとイオン成分等の分析を行うという考え方を持ってございます。
 それから、平成五年から九年度までの第三次調査でございますが、全国四十八カ所測定所を持っておりまして、降水の年平均はpHで四・七から四・九ということでございます。昭和六十三年から平成四年までの第二次調査と比較して同レベルである、つまり、第二次調査と第三次調査の間では変化がなかったという考え方を持っております。
 また、北海道、地方自治体の環境研究所において積雪のpH、イオン成分などの調査が行われておりますが、これは、平成七年度の六十一地点における調査の結果では、積雪のpHは四・六〇から六・九五、全データの平均は四・八六であったというふうに考えております。
 ということで、今のところ第二次調査、第三次調査の五年間、五年間を比較した結果では変化がないという考えではおります。

丸谷佳織
 今のお答えの中で、酸性雨とそして酸性雪というのは基本的に同一線上で考えていいものだ、雨と雪は地上におきます観測結果の違いということになるわけですから、では、環境に及ぼす影響も同様であるというふうに考えてもいいのでしょうか。

廣瀬(省)政府委員
 酸性雪が環境に及ぼす影響はどうかということでございますが、一般的に酸性雪の環境への影響は雨の場合と同様というふうに考えております。
 一つは、湖沼や河川等陸水が酸性化し、魚類等へ影響を与えるという考え方でございます。それから、土壌が酸性化して森林へ影響を与える、あるいは直接樹木に沈着することによってこれらの衰退を助長するなどの影響のおそれが指摘されているという段階でございます。
 また、雪の場合は、融雪時に酸性成分が濃縮されるということが確認されております。そして、酸性雨対策調査の結果では、融雪水による河川のpHへの顕著な影響は見られておりませんが、わずかな変化はとらえているというのが現状の段階でございます。

丸谷佳織
 今お話ございましたように、積雪地域に大気汚染物質が蓄積された場合、特に三月になりますと融雪時期を迎えるものですから、この融雪期に河川ですとか海に流出することになっていくわけです。酸性雪の場合、酸性雨のように均一に流れ出すのであれば大きな問題とならないのかもしれないのですけれども、雪の場合は融雪期が非常に問題になってくる。これは、降り積もりました雪が再結晶を繰り返し、また結晶を大きくして氷のようになっていくという過程の中で、降雪に含まれていた汚染物質が結晶からまずはじき出される、それが氷の結晶表面に蓄積され、融雪初期に高濃度の汚染物質として流れ出すというアシッドショックの現象があるわけなのです。
 北米ですとか北欧、特にスウェーデンですとかノルウェー、また、カナダのオンタリオ湖の方で、春先に川に流れ出した高濃度の汚染物質により魚が大量死しているというこのアシッドショックの現象が報告されているのですけれども、我が国の状況はいかがでしょうか。

廣瀬(省)政府委員
 先生のおっしゃるように、アシッドショックということで、pH三程度になったときにそのような現象が起こるということになります。日本では、そういう形では起こっておりません。
 北欧、欧州、北米の問題で先生は申されていたのですが、スウェーデンにおいて八万五千ある湖沼のうち二万一千五百の湖沼が酸性雨の影響を受けておる。一万の湖沼は既に酸性化して、そのうち九千の湖沼では魚類の生息に悪影響が出ているという報告があります。それから、ノルウェー、カナダ等でも同様の報告があるということになります。それから、有名なのはドイツのシュバルツバルト等で酸性雨の森林への影響ということがございます。
 我が国においては、環境庁の酸性雨対策調査では、欧米と同程度の酸性雨が観測されているものの、生態系への影響については、酸性雨による影響と見られる顕著な現象はまだ観測されておりません。

丸谷佳織
 観測されていない、報告されていないというお答えだったのですけれども、例えばブナの木ですとかナラの木、これは酸性雨による影響ではないか、アシッドショックによる影響ではないかといったような観測記事というのが報道されているわけです。これを見て非常に不安になる方も多いと思うのです。現状をしっかりと調査して認識していくことでしかこういった不安というのは取り除いていけないというふうにも思うのですけれども、そういったことに対しての調査というのは今どのように進められていますか。

廣瀬(省)政府委員
 具体的な調査にかかわる部分は、先ほど申したとおり、日本全体にネットを張りまして、それを継続的に観測する、昭和五十八年から五年ごとに流れを追ってきていて、現在第四次の状況に入っています。流れを見ていくという体制をとっております。
 それから、もっと広い範囲も含めてどうするかということが大きな問題になるというふうに思っておりまして、その対策等を広げていくということになるかと思っております。そういう意味では、国内体制はかなり整えながら見ていく。それから、同時測定装置で、全体的にわかるような状況に持っていくというふうになります。
 それから、各県の状況の中で、湖沼等を含めて、それぞれ土壌の性質等をチェックしながら絶えず監視をしていくということになります。例えば北海道であれば、北海道の土地がどういう形でできているのか、酸性とかアルカリの問題を含めてどうなっているのか、どういう関係の土壌のつくり方になっているのかというのを全体的に調べて、そして特性をもってチェックするという考え方で仕事を進める。それを絶えず環境白書という形、それからそれぞれの県では、問い合わせが行けばそれぞれの環境部局で答えられる状況になっております。

丸谷佳織
 今までのお答えをお伺いしまして、ちょっと今疑問に思うことは、北米、北欧と、酸性雨ですとか酸性雪の酸性度はそれほど変わらないということがまず一点ありますね。けれども、環境ですとか生態系に及ぼしている影響は日本では報告されていないということですから、北米とか北欧とは違うのであろうというふうに思うのですけれども、それは日本の土壌ですとか森林の自然中和機能で酸性度を薄めているというふうに考えることもできると思うのです。しかし、土壌ですとか森林に入っていく酸性のものはやはり蓄積をされていくわけですよ。特に雪の場合は、春先になると高濃度のものが一気に流れ出してくるという特徴を考えますと、この土壌、森林の中和作用を余り過信してはいけないというふうに思います。
 非常に緊張感を持って、ここの調査と対策を早急にとるべきだというふうに思うのですが、いかがでしょうか。

廣瀬(省)政府委員
 アシッドショックという形は見られていない、それから先ほどみたいな現象はない。それから、先生のおっしゃったように、それぞれに気になる現象は日本の中でたくさん起こっているということはございます。ですから、当然、継続的に測定していかなければいけないし、土壌への変化も気にしなければいけません。
 ただ、今気にしていることというのは、大臣の方からも積極的に言われているのですが、国境を越えての問題も含めながら見ていかなければいけないということもございます。そういう意味では、日本国内だけを見ていくというよりも、もっと国境を越えた形で、グローバルな形での物の見方、測定を含めてどう見ていくかということを考えながら、日本というのをどう見るか、日本の測定数値をどう見ていくかというふうになってくるだろう。ただ、今のところ、どこが原因だということがはっきり言いにくいという状況がございます。
 その辺のことはまた大臣の方からお答えになるかと思うのですが、私の方は、とりあえず、具体的に、徹底的に調査をしていくということをもとにして、もっと国境問題にかかわっては、政治的な問題も含めて考えていくということになるかというふうに思っているわけでございます。

真鍋国務大臣
 今、局長の方から日本国内の対応についてお話をしましたけれども、私は、昨年中国に参りまして、この被害状況があらわれておるということも知らされたわけであります。
 そこで、日本が中心になって、東アジア諸国にモニタリングネットワークを組むべしという意見も出しまして、中国に呼びかけましたところ、中国からも参加、協力はいただけるということになったわけでありまして、東アジア酸性雨モニタリングネットワークという測定圏を設定いたしまして、これから対応していかなきゃならないと思っておるわけであります。
 中国なんかに進出しておる自動車メーカーの話によりますと、中国においては、降雨期に自動車にカバーをしないと被害、損傷が激しいということであります。それは何が原因かと申せば、一つには酸性雨が原因しておるのじゃないだろうか、こう言われておるわけでありまして、やはり酸性雨の問題については、先生御指摘のように雪の中にもあらわれておりますし、また雨の中にもということで、調査を怠りなくやって、そして世界全体の対応策を講じていく先兵隊に日本はならなければならない、こう考えておる次第であります。

丸谷佳織
 ありがとうございました。
 北米、北欧の方の生態系に与えます被害というのは一九七〇年ぐらいから出始めていまして、その対策、研究というのは日本よりも二十年ほど前を行っているという状況なんですけれども、実際に非常に問題ではあるのですけれども、日本としましては、これをよい先例としまして、早急な取り組みをしていくべきであろう、実際に被害の実例が出てからでは手おくれになってしまうものだというふうに思います。
 例えば、手当てをするにしても、今大臣も中国のお話をされましたけれども、一体どこに原因があるのであろうか、その傾向性を探っていく必要があるんだろうと思うのです。
 北海道環境科学研究センターなど、北海道、東北六県と新潟県から十三機関が参加しまして、一九九六年の一月から三月、六十一カ所で雪を採取しまして、酸性度ですとか含まれる成分を分析した結果、冒頭にお話ありましたように、調査地点の九三%、五十七カ所で、pH五・六以下の酸性雪が観測をされています。平均的にはpH四・八六なんですけれども、最も酸性度が高かったのは新潟県の雪でございまして、pH四・六。同様に高かったところとしまして、北海道の積丹半島、そして秋田県東部の山間地、また新潟県の南部で酸性度が高かった。いわゆる太平洋側では低く、日本海側では高いというふうに言えると思うのです。この雪を酸性にさせていると考えられる原因と、日本海側では高く、太平洋側では低くなるという地域的な傾向をどのように分析されていますか。

廣瀬(省)政府委員
 今の問題ですが、具体的に調査の中でそのように出ておるということはつかんでおります。
 まず、北海道の酸性雨の調査で、環境庁が、札幌、利尻島、もう一つのところ、三地点でやっておりますが、ここの調査の結果が出ております。この結果では、オホーツク海というのは先生申されたとおり、それから積雪水量が多い日本海側との関係が出ておる。水素イオンというのと、それから海由来でない硫酸イオンの濃度が高いということは、先ほど大臣が申したとおりの感じがございます。そういう意味で、もっと広げた形での問題をとらえていくということが一つというふうに思っております。
 それから、一般的に、工場における石油、石炭の燃焼ということをまず気にしなければいけません。それから、自動車から排出される硫黄酸化物、窒素酸化物等の大気汚染物質が、大気中でまず酸化されて硫酸イオンと硝酸イオンになるというふうに考えておりまして、pHの低い酸性雪が発生するということからいって、今の分析結果から見ると、もっと測定地域を広げながら、日本の国土をどう守るかと。
 ですから、日本を守るために、日本だけのことを考えないでどうするかというのが大臣から言われていることでございまして、大臣が先ほど申したとおり、中国も含めながら話し合いを進めていただくという考え方で、この辺のところは、大臣にこの前中国へ行っていただいて、中国がいろいろと問題を持っていたのですが、大臣の力で解決されて、その動きがはっきりと、平成十二年の先行きがある程度見通しがついたということで、この体制が固まるというふうに思っております。

丸谷佳織
 この分析に当たりまして、冬季に日本にやってきます寒気団に乗ってシベリアですとか中国から大気汚染物質が運ばれてくる、それが降雪という形で日本海沿岸に蓄積されるというような説が多いわけなのですけれども、一方的に、中国ですとか、地域を決めまして、そこのCO2の排出量ですとかまた硫黄酸化物の問題を日本側から声高に言っていくというのは、外交問題からしても、微妙な、繊細なことが必要になってくるのだというふうに思います。
 また一方、別の調査によりますと、北海道の西部と、西部ですから日本海側と、太平洋側、東部の方では、酸性度は余り変わらないというような調査結果も発表されている方がいらっしゃいまして、酸性物質の大気への拡散というのは、北海道周辺においてはこれは普遍的な現象であるというふうに分析をする人もいるわけなのですね。
 こういった調査によって、多少の誤差というのはもちろん生じてくるものだろうというふうに思われますけれども、この分析が大きく違ってくるものであってはやはり混乱を招くというふうに思いますので、環境庁の詳細な調査というのが必要になってくるわけなのです。
 環境庁の酸性雨対策検討会がことし三月に出されました第三次酸性雨対策取りまとめの中で、雨の部分を雪として読むこともできると思うのですが、この調査範囲の中に道東が入っていないわけですよね。ですから、十分な情報を集めて対策を講じていくという観点から、ぜひ道東の方にも調査地点を設けていただきたいというふうに思いますが、いかがですか。

廣瀬(省)政府委員
 今三カ所あるところは、札幌の周辺二カ所ということです。ただ、湖はパンケ湖がございます。それで、道東の方のところで、湖については具体的に調査をしております。ということで、北海道庁が行っている調査とあわせながら、具体的に国の調査とあわせていくというやり方をとるというふうに思っております。
 それから、先生先ほどおっしゃっていましたように、東北六県、北海道を含めながら、一つのブロックを見ていくという形もございます。それから、この問題を整理していくときに、それぞれ研究者をどのように育てるか、教育をしていただくかということになりますから、その辺は、研究費も含めながら、全体的に見ていくという形をとっていくというふうになるかと思っております。
 そういう意味では、先生のおっしゃるとおり、起こってから対策を立てるという形では環境庁の問題というのは大変になってしまいますので、その前にどういうふうにネットを張りながら、早く気づいたら、それを行政的にそれから政治的にどう解決するかというところのデータを集めるというのが、私たちの酸性雨に関する一つの考え方というふうに思っております。

丸谷佳織
 この大切な調査結果が、範囲が広がってくればくるほど、お互いにデータを共有できるようにするための努力も必要だと非常に思われます。というのは、採取の方法ですとか、あるいは器具ですとか、そういったところから各国と協力して統一していかなければいけないのかなというふうにも思われるわけなのです。
 今後の研究としまして、日本に降る酸性雪に含まれる大気汚染物質の種類と、また降下量、それからそれがもたらす影響、そして発生源を含めた大気移動のプロセスなど、大臣がおっしゃいましたように、広範囲における継続的な研究というのが非常に望まれるところだろうと思います。特に、今東アジア地域というのは、今後二十一世紀におきましても、石炭の使用量というのが増加していく傾向にございまして、関係諸国と連携したエネルギー政策と、また汚染物質発生源の対策、研究支援を積極的に行っていただきたいというふうに思います。
 酸性雨による被害、酸性雪による被害を未然防止していくという観点に立ちまして、大気汚染物質の排出量を減らす国内の対策、それから東アジア支援というのを並行して行っていただいて、来年度から正式稼働します東アジア酸性雨モニタリングネットワークの方で日本として十分にイニシアチブをとっていただきたいと大臣に要望させていただきたいのですが、いかがですか。

真鍋国務大臣
 先ほど来お話をいただいておりました酸性雨の原因につきましては、硫黄酸化物、窒素酸化物等によってなされるということであります。それらの問題については規制を厳しくして対応していかなければならないということで、実は、それらの問題について話し合いをしようということで、ことしの一月十三日から韓国におきまして、韓国、中国、日本、三カ国の環境大臣会議を開催いたしました。その折にも各国の環境問題をいろいろと取り上げたわけでありますけれども、日本からも韓国からも中国からも、この酸性雨の問題について取り上げられたところであります。
 これらのことにつきましては、東アジア全体の問題として取り上げて、今後検討していこうということに相なったわけでありまして、今先生おっしゃいますように、グローバルな立場に立って考えをなしていかなければならないと思っておるわけでありまして、今後ともそのような姿勢で臨んでいきたいと思っておるところであります。

丸谷佳織
 アジアの環境を守っていくリーダー国として、ぜひとも御努力をしていただきたいと思います。
 以上で、質問を終わります。ありがとうございました。