衆議院・外務委員会質疑録
1998年5月15日

丸谷佳織 
 おはようございます。よろしくお願いいたします。
 質問通告はしておりませんけれども、ただいま外務大臣の方からインドネシア情勢の御説明をいただきましたので、若干関連をさせて質問させていただきたいというふうに思います。通告しておりませんので、お答えいただける範囲でお答えいただければと思うのです。御説明にありましたように、現在非常にインドネシアが緊迫の度合いを深めている中、邦人救出のためにどうするかということをまた考えていかなければいけないときなのだろうというふうに思うわけなのですけれども、現在、政府専用機または自衛隊機の派遣はあり得るのかどうかお伺いします。

小渕国務大臣 
 事態が刻々変化をするのではないかということでございまして、けさほど来の情勢につきましてはただいま報告したとおりでございますが、昨晩は一応平穏に戻ったという報告を得ているのです。しかし、朝になりましてまた状況がどういうふうに一変するかわかりかねるところでございますので、実はこの委員会が終わりましたら午後早々にでも関係閣僚に集まっていただきまして、実は外務省としては先ほど御報告いたしたように本部をつくりましたが、内閣としても危機管理監という制度が発足をいたしておりますので、内閣として十分各省庁と連絡をとってそれぞれ対応すべきだということで、今御質問ありましたのは自衛隊機のお話でございますが、防衛庁長官、またもし民間の飛行機を利用せざるを得ないということになりますれば運輸省等の関係の大臣にお集まりをいただきまして、情勢の分析とそれに対する対応につきまして、午後会議を開かせていただくということになっておりますので、今後、午前中どういうふうな変化があるかということを見極めなければならぬかと思います。
 万が一といいますか、最悪の事態といいますか、そういうことを常に想定しながら、それに対して十分適切な迅速な対応をしなければならぬと思いますので、おっしゃっておられるような自衛隊機というものも自衛隊法百条八の項目によって出動させることはできることに相なっておりますので、そういう事態が、その事態をどう考えるかでありますが、念のため防衛庁の方にその準備の方はお願いしなければならぬかとは思っております。

丸谷佳織
 どうもありがとうございました。
 ただいま御説明ありました自衛隊法第百条の八の適用、生命、身体の保護が必要な邦人がいること、航空機の安全が確保されていることというのが前提になると思うのですけれども、刻々と変化しているインドネシア情勢というものを踏まえて、例えば飛行場が封鎖されてしまうような場合にはやはり航空機では邦人の救出が不可能になってくるわけです。また、一万三千人という在留邦人の数を考えましたときに、自衛隊艦船も出動しなければいけないような状況になり得ることも考えられるというふうに思うわけです。ただ、そういった場合に艦船が出動できるような法的根拠が今まだ整っていないということを踏まえまして、素早い御決断とまた判断、情報収集というのが必要だというふうに思いますが、いかがでしょうか。

小渕国務大臣 
 法的にも、仮に自衛隊の艦船ということになれば、これは整備されているわけではございませんので、そんなことはあり得ないと思いますし、また艦船となりますと、今度、港その他に至る間の移動その他も、混乱の時期に可能性があるのかどうかという問題もありますので、現時点では実は考慮いたしておりません。
 なお、航空機につきましては、飛行場は機能いたしておるようでございますが、それと同時に、現在、民間の飛行機も離発着しておられるようでございますので、それぞれの方々がこうしたものを今利用できる環境にはありますが、戻りますが、船については今のところ検討いたしておりません。

丸谷佳織
 ありがとうございました。
 現在は飛行場がまだ封鎖されていないという状況でも、今後そういった状況に陥るかもしれないということも考えまして、措置をお願いしたいというふうに思います。
 では、続きまして、今回の二つの条約について、まず質問をさせていただきます。
 サービス貿易に関する一般協定第五議定書の方の質問からさせていただきたいというふうに思います。
 本議定書は、ことしの二月二十七日に作成されたばかりでありまして、四月一日現在、まだ受諾を済ませた国はないわけです。第二議定書の批准状況を見てみますと、当初予定をされていました九六年の七月末から一カ月余りおくれまして、一部に未受諾国を残したまま発効をしているというような状況です。また、今回は前回に比べて参加国も多いということを考えますと、今予定されています九九年一月末の発効が可能になってくるのかどうか危惧されるものがありますが、その発効時期の見通しについてお伺いします。

横田(淳)政府委員 
 お答え申し上げます。
 この議定書は、関係加盟国による受諾のために、一九九九年、来年の一月二十九日まで開放されております。そして、すべての関係加盟国が受諾した日の後三十日目の日に効力を生ずることになっております。仮にその日までにすべての関係加盟国が受諾しなかった場合には、その時点で受諾しております関係加盟国が集まって、その後三十日以内にその効力の発生に関する決定を行うことができるようになっております。
 現在ですが、関係加盟国内において、この議定書を締結するための国内手続が鋭意進められておると承知しておりますが、私どもとしては、早期に発効要件が満たされることを期待しております。我が国といたしましても、WTOのサービス貿易理事会の場などを通じまして、未受諾国に対して第五議定書を速やかに締結するように働きかけてまいる所存でございます。

丸谷佳織
 続きまして、外国公務員に対する贈賄防止条約について質問させていただきます。
 この外国公務員に対する贈賄防止条約なんですけれども、これは、外務省が作成しました日本語訳での正式名称は、国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約というふうになっています。この条約の正文は英語及びフランス語となっておりますので、この日本語の名称は仮訳というふうに承知をしておりますけれども、英語のテキストと日本語のこの名称の部分で、日本語では贈賄の防止という部分が、英語ではコンバッティング・プライバリーというふうになっておりまして、このコンバットの部分を素直に直訳をしますと、闘うというかなり強い意味合い、ニュアンスを持ってくるのかなというふうに思います。
 この日本語訳の防止という日本語に、コンバットのニュアンスがちょっと感じられないのが残念なわけなんですけれども、この外国公務員に対する贈賄を断固廃絶していくんだという、政府のコンバットする姿勢といいますか、闘う姿勢というのを、まず外務大臣にお示しいただきたいというふうに思います。

小渕国務大臣 
 英語の本文に、そうした英語が使われておるということでございまして、御指摘のように、闘うといいますか、そうしたことを起こしてはならぬという趣旨も感ぜられますので、そういう、この条約を我が国として適用するということになりますれば、そうした考え方で対処することは、ある意味では、至極当然のことだろうと思っております。

丸谷佳織
 続きまして、本条約の作成の段階で、経団連が外国公務員贈賄問題ワーキンググループというのを組みまして、我が国の政府に対して、我が国刑法上の贈賄罪にはない概念である、贈賄を通じて得た収益の没収並びに法人に対する処罰は条約に盛り込まないよう要請したとい
うふうに伺っておりますが、実際にはこの二つとも条約の方には盛り込まれております。政府側としまして、経団連のこの要請をどのように受けとめ、またどのような経緯で条約に盛り込まれることになったのか、お伺いします。

横田(淳)政府委員 
 お答え申し上げます。
 本条約の交渉の過程におきましては、随時、経団連を初めとする経済界との意見交換をしつつ交渉に臨んだ次第でございます。我が国経済界からは、各国との横並びの確保が必要であることを中心に、御指摘の点も含めまして、各種の意見が寄せられたわけでございますけれども、これらにつきましては、我が国経済界の意見として参考にしつつも、基本的には外国公務員に対する贈賄を抑止する実効的な条約を作成すべきであるとの考えから、交渉に臨んだわけでございます。
 現在、我が国の経済界としても、条約の最終的な内容については、特段の異論はないものと承知しております。
 そこで、法人処罰についてでございますが、この条約が対象とする国際商取引における外国公務員に対する贈賄とは、行為者限りの判断で行われるというよりは、むしろ何らかの形で行為者の属する法人が関与している場合があり得ると考えられますことから、締約国に対しまして、このような贈賄について、自国の法的原則に従って、法人の責任を確立するために必要な措置をとることを求めることになった次第でございます。
 また、収益の没収につきましては、わいろ及び外国公務員に対する贈賄を通じて得た収益を押収もしくは没収することによって、外国公務員に対する贈賄を抑止することを実現しようとするものでありますけれども、同時に、かかる措置をとることができない締約国につきましては、同様の抑止的効果を有する金銭的制裁措置をとることでもよいとの考え方が採用されているわけでございまして、その旨の規定が設けられた次第でございます。

丸谷佳織
 では、法人に対する処罰の場合なんですけれども、通産省にお伺いします。
 不正競争防止法改正案によりますと、最高三億円の罰金刑を科すことになっておりますけれども、この最高三億円という金額は、贈賄を通じて得た収益の没収と同等な効果を有する金銭的な措置として十分な金額とお考えなのかどうか、お伺いします。

板東説明員 
 御説明申し上げます。
 ただいま委員御質問のとおり、この条約の実施法といたしまして、不正競争防止法の改正を今国会に提案させていただいております。その内容は、御説明ありましたとおり、ただいま不正競争防止法は、法人の処罰は一億円を罰金の上限としておりますが、これを三億円に引き上げる、こういう内容でございます。
 この三億円が十分かどうかという御質問でございますけれども、まず、この三億円という水準は、我が国の刑事法の法人の罰則では非常に重い部類に属する、最高の部類に属する刑罰でございます。
 さらに、実は、このような法人の処罰だけではございませんで、個人に対しましても、そのような犯罪行為を行いますと、懲役三年以下または三百万円以下の罰金がかかることになっております。
 さらに、もとよりこのような形で有罪判決がおりますと、いわば企業の対外イメージも落ちますし、そういう意味での社会的な制裁もあるわけでございまして、こういういわば法人、個人、そういう事実上のイメージ、こういった三つを勘案いたしまして、これで十分に目的は達せられるのではないか、このように考えているわけでございます。

丸谷佳織
 ありがとうございました。以上で条約に対する質問を終わらせていただきまして、先日の委員会でもインドの核実験につきまして各議員から質問がありましたけれども、私からも幾つか質問をさせていただきたいというふうに思います。
 今週の十一日に実際に三種類の地下核実験をインドは行い、また、我が国そして世界各国からも非難を浴びる中、十三日には一キロトン以下の規模の二種類の地下核実験を実際にインドは行っております。
 我が国政府としまして、まずインドが行った核実験の総規模について詳細な情報を得ているのか得ていられないのか、またどの程度の規模であったと推定されるのか、御説明をお願いします。

阿部政府委員 
 インドが二回にわたりまして合計五回の核実験を行ったわけでございますが、その詳細については公表されておりませんので推測の範囲になりますが、十一日に行われました実験についてはTNT火薬で五ないし二十キロトン程度のものというふうに言われております。それから、十三日に行われました実験につきましては、インド側の方でもこれは一キロトン規模以下のものというふうに言っております。

丸谷佳織
 ただいま推測で二十キロトンぐらいであったのではないかという御説明をいただきましたが、広島型の原爆ですと十五キロトンということですから、それよりも大きな規模の爆発力があったのではないかと思ったときに、新聞の報道で首相のコメント等を見ておりますと、環境に影響は全くなかった核実験であったというようなコメントが目に入りまして、本当に環境に全く影響がないような核実験なんというものがあるのだろうかというふうに私は思いました。
 例えば、地下でありますと水系に影響を及ぼす可能性が考えられます。実際にフランスがムルロア環礁で一九九五年九月五日に行いました実験、これも二十キロトン級であったということなんですけれども、フランス側のコメントとしましては、核爆発地点の周囲の岩石は溶解した後にちょうどガラス化をしてしまい、核物質を閉じ込めた形になるので放射能が漏れることはなかったというふうに説明している一方、核実験に懸念を持つ科学者は、ムルロア環礁の地下には過去の核実験によって多くの亀裂が生じている、ここにしみ込んだ海水を通じて五百年、一千年後には放射能が漏れてくる危険があるのではないかというふうなコメントも出ているように、決して環境に影響がない核実験などはないというふうに私自身は思っております。
 また、中国の核実験実施に抗議しました日弁連の声明を読みますと、「地下核実験であっても、地上への放射性物質の放出が避けられないことはアメリカ・旧ソビエトの核実験場周辺の放射性物質漏れの事故と環境汚染と住民の間の深刻な健康被害の事実が証明しているところである。」こういった内容が声明の方に盛り込まれている次第であります。
 その点を実際にきょうは質問をしょうと思いまして、昨日質問通告をしまして、環境庁、防衛庁それから科学技術庁に来ていただきまして、インドの軍事機密になりますから非常に詳しいデータを得ることは無理だというのは私もわかりますし、そういったデータをもとに詳しい情報を、また影響の推測をいただきたいと言ったわけではないのですけれども、核実験といったものが実際に環境に影響しないということが言えるのかどうかという質問をさせていただきたいときのう通告をしたのですが、どの庁も答えていただけなかったわけなんです。
 環境庁に関しましては、放射能が環境に与える影響は所管ではないというお答えをいただきました。また、防衛庁は、実際に核を持っていないのでわからない。科学技術庁は、日本にその影響があるかどうかという範囲まではわかるが、核が環境に与える影響というものはわからないというふうなお答えもいただきまして、実際に首相が今バーミンガム・サミットに行かれまして、各国のリーダーシップをとって核廃絶に向けて訴え、またインドを非難するという立場にあるときに、こういつたことで日本はいいのだろうかなというふうにも思ったという経緯がございます。
 外務大臣は、今回のような爆発を伴いました地
下核実験が環境汚染を招かないということは科学的に考えられるというふうに思いますかどうか、お伺いします。

小渕国務大臣 
 今回の核実験が環境に影響があったか否かについては、我が国としては確たることを申し上げることのできる調査、そういうことができないのでお許しいただきたいと思いますが、一般論として言えば、核実験は放射能漏れ等により環境を汚染しがちなものでありまして、特に、御案内のCTBT、包括的核実験禁止条約の前文におきまして環境の面での意義を強く言及しておるということを考えますと、やはり環境の問題というのは非常に重要だ。それゆえに、微少な放射性物質の検出がCTBTに基づく核実験の検証、探知技術の一つとして開発をされておるということからも、極めて重要な問題であるというふうな認識はいたしております。
 ただ、インドの場合には、二回のいずれの実験におきましても大気中への放射能漏れはないと、インド政府はそれを確認しておるということを発表いたしておることはおりますが、いずれにしても、申し上げたように、環境問題というのは極めて重要な問題だと考えております。

丸谷佳織
 この実験が環境に与えます影響は、実際に百年、二百年単位というよりは、五百年、一千年単位というまた視点を持って訴え、取り組んでいかなければいけない問題だというふうにも思いますので、今後も、日本の確固たる姿勢でインドに対応していっていただきたいというふうに思います。
 この実験につきましてインドは、米ソの冷戦を引き合いに出しまして恐怖の均衡を強調しているのですけれども、この核兵器が通常兵器の延長線で考えてはいげないという点と、また、人類にとっては運命的な兵器であり、また黙示録的な兵器である以上、一国家の安全保障という観点から人間の安全保障という大局に立った議論が必要になってくるだろうというふうにも思われます。
 その意味で、インドのみならず、各国に核全廃に向けたメッセージを日本が送っていくことの意義は大変に深いというふうに思います。また、特に、早ければ十七日にも核実験の実施があるのではないかというふうに言われていますパキスタンに橋本総理のメッセージを送ったことは非常に意義が深いことだというふうに思いますので、その内容と、またパキスタンの反応をお伺いします。

阿部政府委員 
 今度のインドの核実験の結果、近隣諸国、特にパキスタンが、これに触発されまして核実験をするのではないかということが深く憂慮されております。
 こういうことがありまして、私から二回、東京におりますパキスタンの臨時代理大使に対しまして懸念を表明しております。また、現地の大使からも、先方の大統領以下に何度も申しております。また、けさほど早く、小渕大臣から、先方のアユブ・カーン外務大臣に対しまして書簡を出しております。
 この中で、日本としましては、。パキスタンが最大限の自制を働かせるということを、強い希望を表明しておりますけれども、パキスタン側では、自国の安全保障というものも極めて重要である、したがって、パキスタンとしては、最終的には自分らの主権としていかなる選択も行う権利があるということを申しておりましたけれども、私どもからは、にもかかわらず、パキスタンの将来のためにそこは賢明に考え、最大の自制をしてほしいということを重ねて申しておきました。

丸谷佳織
 インドに対する制裁としまして日本政府がとりました無償資金協力停止のほか新規円借款の供与の凍結、また世銀など国際機関を通じました対インド融資停止などの制裁は、残念なことですけれども、現在のインドに対しては必要な措置だというふうに認識しております。しかし、将来これらの措置を解除するときがあるとしましたら、インドがどのような状況になったときだというふうにお考えになるのか。日本がインドとの外交の中で納得できる到達点というものを一つ設けておかなければいけないのではないかなというふうに思います。
 例えば、CTBT、抜け道だというふうに言われていますCTBTを世界的に改正していくという方向性、世界的な流れもあるでしょうし、またインドに対しましては、これ以上核実験をしない、また、核を保有しない、そしてCTBTの無条件の署名等の要求が日本としては考えられますけれども、そこを、納得できる対話の到達点をどこに置かれるのか、お伺いします。

阿南政府委員
 インドに対してとりました措置、これをどういう状況下で解除するかということは、なかなか難しい判断でございます。こういう要件ならばという一定の基準のようなものを定めるということは難しいわけでございますが、当然のことながら、今回のインドに対する措置、これを発表した際の官房長官の談話の中にもございましたが、核実験の即時停止、NPT、CTBTへの早期加入というようなことをインドに言っているわけでございます。こういうことも踏まえ、また、この措置の趣旨、目的、そういうものも十分に踏まえた上で、状況に応じ、インド政府の対応を勘案しつつ判断するということにならざるを得ないと思っております。

丸谷佳織
 バーミンガム・サミットの声明を受けてということもあるとは思うのですけれども、実際に、本当にインドがこれ以上核実験をしないということですとか、核を持たない、核兵器開発を行わない、またCTBTを無条件に署名するという一つ目標みたいなものを掲げておいた方が、実際に今後の交渉等また対話の中で、それが一つの到達点として生きてくるのではないかなというふうに思います。
 では、時間もなくなってまいりましたので最後の質問をさせていただきますが、本会議また以前の委員会の中で何回かお尋ねさせていただいておりまして、しつこいようなのですけれども、これで最後にさせていただきたいのですが、大臣に確認をさせていただきたい件があります。
 四月二十四日の外務委員会で、小渕外務大臣に対しまして、PKO改正案が原案のまま成立した場合に、OSCEが実施しますボスニアの選挙監視に自衛隊の派遣はあり得ますかという趣旨の質問をさせていただきまして、大臣から、選挙監視につきましては、通過した場合、これはPKO改正案が通過した場合だというふうに思いますけれども、通過した場合、その可能性は認められると思いますが、その事態に対応して派遣するかしないかは、そのときの政府の判断にゆだねられるものと思っておりますと御答弁をいただきました。
 我が国の法律上は、選挙監視に自衛隊を派遣することは排除していないということは承知の上で確認をさせていただきますが、選挙監視という仕事はやはり文民が行うものであるというのが国際慣習上、世界の共通認識としてつくり上げられているというふうに認識をしていても、我が国は、時の政府の政策判断いかんによっては選挙監視のために、国際的には軍隊と認識される自衛隊を派遣することもあり得ると外務大臣はお考えなのかどうか、この点を明確に御答弁願います。

小渕国務大臣 
 たしか二回目のお尋ねに対してお答えをいたしたかと思いますが、重ねて申し上げれば、ボスニアの選挙における選挙監視団への自衛隊または自衛隊隊員の派遣につきましては、我が国の法令上、自衛隊の部隊を監視団として派遣することは不可能であります。
 ただ、自衛隊員を個人の資格において派遣することは、理論的には排除されておりませんが、選挙監視活動はその性質上もまた実際上も、専ら文民によって行われる活動でありまして、自衛隊は、過去二回のボスニア選挙においては派遣されておりません。今回の選挙におきましても自衛隊員を派遣する考えはございません。

丸谷佳織
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。