衆議院・外務委員会質疑録
1998年4月24日

福田委員長代理 
 丸谷佳織君。

丸谷佳織 
 丸谷佳織でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に三本の条約の審議をさせていただきまして、残った時間で先ほどの、日ロ、川奈の会談等につきましても御質問をさせていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず最初に、車両等の型式認定相互承認協定についてなのですけれども、本協定に我が国が加入をしますことで、我が国が適用しています規則と同じ規則を適用している国で型式認定が行われた部品は、我が国の法令に適合すると認められるようになるわけなんですけれども、現在予定されている部品の種類をまずお願いします。

中山説明員 
 お答えいたします。
 現在日本におきまして考えておりますのは、我が国の基準と国連の基準との調和が既に図られているもの、そしてかつ、日本におきます審査の実施体制が整っているものというものについて相互承認を適用する方向でございます。
 具体的に申し上げますと、協定加入当初は、乗用車のブレーキそれから反射器などの五つの規則に対応します八品目への適用を予定しておりますが、最終的には、内外の関係者の意見を聞きまして、それを考慮しつつ決定したいというふうに思っております。

丸谷佳織
 今、八品目に適用の予定というお答えだったのですけれども、先ほど森田代議士の質問にお答えになりまして、本協定を締約するメリットといいますのは、技術的な手続の簡素化等、仕事が早く進むというようなお答えがあったと思うのですけれども、八品目ではちょっと少ないのかな、メリットはそれほどないのではないかという危惧もあるのですが、いかがでしょうか。

大島(正)政府委員 
 お答え申し上げます。
 まず、八品目ということでございますが、その八品目についてのメリットというのは、先ほども御答弁させていただきましたように、ちょっと具体的に説明させていただきますと、現状では、例えば、我が方の製造者が欧州諸国に輸出しようとして型式認定を受けるためには当該国の当局に申請しなければならない。しかし、今回の協定に加盟させていただきまして、規則に基づく認定を我が国から受ければ、当該の製造業者は、相手国が規則を適用している限り、改めて型式認定を受けることが必要なくなります。したがいまして、その意味での手続的な節約、簡素化ということで、輸出の促進ということになるかと思います。
 これは、同じようなことは外国から、特にこの規則を適用しています国から日本に輸入しようとする際にも、輸入業者は同じような簡便な手続を経られるということで、輸入促進になります。したがいまして、まずこういったメリットがあるということで、今後、国内の整備が進めばさらに対象品目をふやしていくということだと理解しております。

丸谷佳織
 実際に、我が国が適用を予定しています規則をもう既に適用している国が多ければ多いほど、やはり我が国のメリットも大きくなってまいりますし、実際に本協定の意義も大きくなってくると思いますので、今後とも、加盟国の増加に向けた働きかけをよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、次の条約、一九九一年植物新品種保護条約についてお伺いします。
 この条約なんですけれども、知的財産権の保護を強化していくという観点では、今回のUPOV条約改正も評価すべきものというふうに思われますが、一方、本条約の締約国が少ないのではないかな、締約国が少ないことで何か支障を来すことはないのだろうかという視点で幾つか質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、品種登録制度の整っていない第三国に種子が流出して、その種子が無許可で栽培をされた場合に、我が国としてはどんな措置をとることができるのか、お伺いします。

大島(正)政府委員 
 お答え申し上げます。
 この条約では、保護を求める国ごとに育成者が権利を取得することになっている。したがいまして、我が国がこの条約の締約国となった場合に、我が国及び我が国以外の締約国において権利を取得している育成者は、その権利を行使することによって、第三国において無許可で栽培された品種が我が国あるいは我が国以外の締約国に輸入されることを阻止することができるようになっております。
 また、この条約を締結していない国においても、既にこの条約に適合した品種保護の制度を国内的に整備している国においては、その国で権利を取得さえしていれば、その権利を行使することでその国の輸入を阻止することができる。こういった
形で権利の保護が行われるということでございます。

丸谷佳織
 今は、無許可で栽培された場合の措置について御説明していただいたわけですね。
 それでは、品種登録制度の整っていない第三国で無許可で栽培をされて、日本あるいは日本以外の締約国あるいは未締約国、この三つのケースについて御説明願います。輸出された場合ですね。――それも今お答えいただいてしまいましたか。そうですが、わかりました。
 そういった措置をとっていただけるということなんですけれども、実際に、この植物新品種の育成者の知的財産権を、保護を強化していこうとするときに、本条約未加盟国があるということでその保護がなかなか図られないようなことがあるとするならば、この条約を締結していく意義というのもやはり半減してしまうのではないかというふうにも思われます。そうしないためにも、加盟国の増加に向けた政府の具体的な施策が必要だというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。現在加盟の見通しがある国についてもあわせてお伺いします。

大島(正)政府委員 
 現在のところ、締約している国は、実は六カ国でございます。この条約は実は既存の条約の、七八年の条約の改正ということでございますので、七八年条約に入っている国の三カ国と、その他新たな国を含めて全部で五カ国があれば発効するようになっております。したがって、もう六カ国ございますので、実はきょう二十四日に発効することになっております。
 もちろん、御指摘のとおりできるだけ多くの国が参加することが望ましいわけでございまして、そのような努力を続けさせていただきますが、主要先進国も近いうち、さらにこの締約国の中に加わると理解しております。

丸谷佳織
 加盟国増加に向けての具体的な施策というのは今お答えになっていないのですけれども、それはまだ、今後話し合って働きかけていく、外交対話を続けていくということですか。

大島(正)政府委員 
 そうでございます。引き続き外交的に努力していくということでございます。

丸谷佳織
 わかりました。その外交努力をぜひよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、三本目の条約、大西洋まぐろ類保存条約改正議定書について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 この大西洋まぐろ類保存条約改正議定書は、ICCATへの分担金をある程度以上滞納した国に対するまず罰則規定というものがあると思うのですが、その罰則規定についてお伺いします。

大島(正)政府委員 
 お答え申し上げます。
 条約では、分担金の滞納国に対して委員会におけるその国の投票権を停止することができる、そういった規定がございます。

丸谷佳織
 では、その投票権を停止するといった今罰則が適用されたことが過去にはありますか。

大島(正)政府委員 
 現在までのところ、滞納国はございますけれども、そのような国に対して投票権が停止されたという事実はございません。

丸谷佳織
 この大西洋まぐろ類保存条約の第十条の8というのは、「投票権を停止することができる。」という項目ですので、今、実際には投票権を停止したことはないというお答えだったのですけれども、現実には、ある程度以上の期間この分担金を滞納している国はあるわけですね。その中で、実際に罰則をまだ適用していないということになりますと、まず最初に罰則が適用されなかったからこそ、その後対象となっている国々が、何というのでしょう、安心をして滞納してしまうようになったのかなという気もしますが、なぜICCATが罰則を適用しなかったのでしょうか。

大島(正)政府委員 
 お答え申し上げます。
 今まで分担金を滞納していた国がどうして滞納していたかということについて、いろいろなその国の事情があるかと思いますけれども、それらの国に対して投票権は停止されていないということについて考えますに、やはり大西洋における漁業資源の保存と管理ということにおいて、できるだけ幅広い関係国が参加しているということが必要だということでございまして、できるだけ投票権の停止ということには訴えないで、これらの国が実質的な参加、協力事業に参加していくということをまず第一にしていたことがその一つの理由ではないかと推測しております。

丸谷佳織
 今回のこの条約の改正の背景には、経費の増加及び途上国による分担金の未納によりICCATの赤字が急増した、委員会の財政事情が大幅に悪化したことという背景が、御説明を受けていますものですから今の質問をしたわけなんですけれども、実際に本議定書の発効によりまして分担金の算定方式が変更される。そして、途上国の分担金は軽減されて先進国の分担金は増大をする。先ほど森田代議士もおっしゃっていましたけれども、この改定によって実際に滞納金がなくなるかといえば、やはりまだ首をかしげる部分が残っているのではないかなというふうに思われます。
 今後は、こういった条約に規定されている罰則は厳格にやはり適用していくべきではないか、これは意地悪で言うのではなく、やはり国際的なルールをみんなで決めたわけですから、それは守っていこうとするのも、国際社会に参加する国のあり方の一つの態度ではないかなというふうに私は思うわけなんです。例えば、厳しい言い方をしますが、投票権が停止をされても、一回罰則を適用しても、それでも分担金を支払う努力が見られないような国に対しましては、漁獲割り当て量の削減などの措置を設けるといったような罰則も考えられるとは思うのですが、小渕外務大臣はどのようにお考えですか。

小渕国務大臣 
 委員御指摘のように、各種の国際協定に伴いましての分担金の支払いにつきましては、現在、それぞれの国の中でかなりこれを滞納しておる国が現実に存在しておりまして、そういった点で、本条約も、これを改善すべきための新たな協定ということになっておるだろうと思います。
 我が国は、言うまでもありませんが、こうした条約、協定が結ばれれば、必ずそれに伴う分担金につきましては、国連も含めまして最もこれを遵守して、滞納することなく支払いをしておる。こうした国から見ますると、御指摘は極めて率直に理解をするところでございますが、先ほども経済局長答弁を申し上げましたように、一概にそうしたいろいろの制裁措置を講じていきますと、やはり国際社会の中でそうした国々が協定の外に出るということであってはまたいけないと思いますので、我が国としては他の締約国と協力して、滞納国への働きかけも含めまして、分担金の滞納の問題の解消のために努力をしていくということを続けてまいりたいと思っております。

丸谷佳織
 資料を見ましたら、滞納金が、決して一国としては払えないような額ではないのですね。先ほど百八十万でしたか、そういった御答弁もあったと思うのですけれども、やはりちょっとした働きかけでそれは払っていただけるものなのではないかなというふうにも思いますので、今後、努力をよろしくお願いを申し上げます。
 昨年の外務委員会では、地中海漁業協定ですか、審議をされましたけれども、このマグロ類の保存管理のための国際機関には、ICCATのほか、今言いました地中海漁業一般理事会協定ですとか、全米熱帯まぐろ類条約、それからみなみまぐろ保存条約、インド洋まぐろ類委員会等ありますが、我が国の主要漁場であります北太平洋及び中西部太平洋には、こういった国際機関が現在存在しておりません。この地域で国際機関を設立する方向で努力をされているというふうにも伺っておりますけれども、これまでの進捗状況並びに今後の見通しについてお伺いします。

大島(正)政府委員 
 お答え申し上げます。
 北太平洋及び中部太平洋それぞれにつきまして、国際的な枠組みの設立に向けた努力が行われております。
 まず北太平洋でございますが、科学的情報の収集や調査を目的とした協力の枠組み確立ということで、我が国及びアメリカの主導によって、北太平洋沿岸国の参加を得て、九六年五月に北太平洋まぐろ暫定科学委員会というものが日本で開催されております。二年ごとに開催するということになっておりまして、ことしの十二月あるいは来年一月にアメリカで開催されます。このような方向で北太平洋方面での協力の体制をつくっている最中でございます。
 中部太平洋につきましては、当該地域における漁業管理機関の設立の検討を目的としまして、九四年にソロモンにおいて、豪州、ニュージーランド、太平洋諸島、我が国、米国等の漁業国が参加しまして、高級事務レベル会合を開催しております。また、去年も第二回会合を開催して、二〇〇〇年中には当該地域に国連海洋法条約にのっとった地域漁業管理の枠組みを設立するということで意見の一致を見ております。
 このような方向で協力が進んでおります。
    〔福田委員長代理退席、委員長着席〕

丸谷佳織
 マグロといいますと、やはり日本人はかなり食する方が多くて、その摂取量も世界的に見ても多いものですから、こういった協定を締結するように積極的に動いていただきたいというふうに思います。
 以上、三本の条約の質疑を終わらせていただきます。
 続きまして、今月七日、本会議で、橋本総理のASEMの帰朝報告について代表質問をさせていただきました。
 その際に、小渕外務大臣も、ASEMのときにロンドンにいらっしゃいまして、その足でボスニアの方にいらっしゃった。先ほどもテーマになっていましたが、対人地雷の件ですとか、あるいはボスニアで行われます統一選挙のことにつきまして、関連事項で私が質問をさせていただいたわけなんですけれども、その中で、本年九月に予定されていますボスニア統一選挙に日本から選挙監視要員を派遣する方針をボスニア・ヘルツェゴビナで表明されましたが、その規模と、自衛隊員派遣の有無についてお答えくださいという質問をさせていただきましたところ、外務大臣のお答えが、ボスニアの選挙における選挙監視要員の派遣については、現在、ボスニア選挙の準備と実施に当たる欧州安全保障協力機構が、監視の方法、必要とされる要員の規模等につき計画を策定中である、我が国監視要員の規模と構成については、その結果等を踏まえて、自衛隊員の派遣の有無も含めて具体的に検討をしていきたいという御答弁をしていただいております。
 この御答弁をいただいた後のある新聞には、自衛隊員の派遣も視野に入れてといった報道もされたのですけれども、いま一度、外務大臣がこの御答弁をされた趣旨を確認させていただきたいと思います。

小渕国務大臣 
 ボスニアの選挙における選挙監視要員の派遣について、本会議でもお尋ねをちょうだいいたしました。
 前回、私の答弁は、ボスニア選挙に派遣予定の我が国選挙監視要員の規模、構成、派遣形態等について、いまだ決まっていないとの趣旨を実は申し述べたところでございまして、自衛隊の派遣について若干前向きの発言ととらえられておるとすれば、そうした趣旨では実はございませんでして、過去二回のボスニア選挙の監視要員の派遣に際しましても自衛隊員は派遣しておらず、今回もこれまで同様、自衛隊員をボスニアの選挙監視要員として派遣をする考え方は今のところございません。

丸谷佳織
 それでは、もう一つ確認をさせていただきたいのですが、現在PKO法の改正案が衆議院の方に提出をされております。この改正案によりまして、国連のみならず、OSCE、先ほどの欧州安全保障協力機構なんですが、OSCEなどの地域的国際機関が行う選挙監視活動にも我が国の平和協力隊を派遣できるようにすることが今回の改正案の方に盛り込まれておりますが、この改正案が原案どおり衆参両院を通過して成立したとしても、選挙監視活動に自衛隊を派遣することは私にはちょっと無理があるのではないかというふうに思いますが、外務大臣の御所見をお伺いします。

西村(六)政府委員 
 今、突然の御質問でございますが、今先生がおっしゃられますとおり、国際平和協力法は、これから審議を行われることになっている次第でございますので、その法律自体につきまして御説明をすることは、私自身の管轄でもございませんものでございますので、差し控えさせていただきたいのでございますけれども、自衛隊員が選挙の監視等に行く、派遣されるということ自体につきましては、厳密な法律論といたしましては、外務省の設置法に基づいて行うことは理論的には可能でございますけれども、ただいま外務大臣がるる御説明をいたしましたとおり、今回のボスニアの選挙監視に自衛隊の自衛隊員を派遣するという計画はない次第でございますので、その点を改めて確認させていただきたいと思います。

丸谷佳織
 外務大臣が今おっしゃっていただいたことは、十分私にも理解ができているわけです。その上で、もう一つの視点から確認をさせていただきたかったということで、今回のPKOの改正案が通過した場合に、自衛隊の派遣はできるのかできないのか、あり得るのかという質問なんですが、いかがでしょうか。

小渕国務大臣 
 今回のPKO法の改正案につきましては、今お話しの選挙監視につきましては、通過の場合、その可能性は認められると思いますが、しかし、その事態に対応して派遣するかしないかは、そのときの政府の判断にゆだねられるものだ、このように思っております。

丸谷佳織
 今、外務大臣は、選挙監視活動に自衛隊が派遣されることは認められるとおっしゃいましたか。

竹内政府委員 
 PKO法の改正後の状況におきまして、具体的にいかにそれを運用するかということは、今大臣から御答弁申しましたとおり、その時々の状況によるわけでございます。
 ただ、毒口申し上げられますのは、選挙監視要員と申しますと、まさに選挙が民主的、公平に行われるということを見守るための専門的知識を持ち、それなりの経験なり知識なりを有した人たちを送るということが本来の趣旨であろうと思われます。
 その観点から、自衛隊員というのがいわゆる選挙監視要員ということに、適当な役割にあるかということについては、これは十分慎重な検討が必要だろう、そういうことだろうと思います。

丸谷佳織
 適当か適当でないかというのは議論していくということであっても、選挙監視活動に自衛隊の派遣は認められるところであるという御答弁だというふうに理解をさせていただいていいわけですね。――はい、ありがとうございました。
 選挙監視業務といいますのは、実際に、国際的な認識では、文民が行う活動なのではないか。これは、現在のPKO法でも、改正案でのPKO法でも、そのように私は認識をしているわけなんですけれども、ちょっと今時間がなくなってまいりましたので、今後、引き続きまた質問をさせていただきたいというふうに思います。
 最後の質問になるかと思うのですけれども、川奈で行われました総理と大統領の非公式の会談について幾つか質問の用意をさせていただいたわけなんですけれども、先ほどの藤田議員とのやりとりを聞いていまして、どこまで聞いたらお答えいただけるのかというのが、私自身ももうすっかり悩んでしまいまして、そこのあたりをちょっとお伺いしたいというふうに思うのです。
 会談が非公式であるという点と、あとは微妙な外交案件であるので、橋本総理が提案をされた興味のある新提案等については詳しい御答弁、御説明はいただけていないわけなんですけれども、実際に日本の主権にかかわってくるような案件であろうというふうに予測をされるわけですね。この主権にかかわる問題について、この国会で、しかも外務委員会という場で説明をしていただけないこと、また議論が交わされないことというのは非常におかしいのではないかというふうに思います。外務大臣、いかがお考えですか。

小渕国務大臣 
 川奈におきまして橋本総理とエリツィン大統領との非公式の首脳会談、クラスノヤルスクに次いで二度目でございます。
 非公式か公式かということでございますが、私も役人出身ではありませんけれども、公式となると、それぞれのスタッフをすべて双方に並べまして、一言一句、それを法的に確かめながらやっていくというような形になりますが、非公式という形の中でお互いの本音をぶつけ合うという意味で、首脳同士の話し合いとしては非公式という会談は極めて有効なものだというふうに思っております。
 それから、特にロシアの場合には、それぞれ民主的な議会もございますし、いろいろ政治の仕組みも、我が国と同じような形になりつつあると思いますけれども、やはりある意味でのトップダウンといいますか、大統領自身の決断なり判断なりというものが極めて重要だということで、そういった意味で、今回も、二度目ではございますけれども、非常に有効であったのではないかというふうに思っております。
 それから、なるほど当委員会におきまして、すべからくすべての話についてお話し申し上げるということの必要性はわかりますが、また、逆に言いますと、先生方からも、すべて逐一交渉の内容にわたって詳細に報告せよ、こう言っておりません。したがって、どこまでどうお話しするかということについては、実は極めて難しいことでございます。
 例えば、先ほど渡辺大臣の御発言もありました。その話は、境界線の問題といわゆる施政権の問題でございますが、この問題も、こうしたものが存在をした、あるいは存在をしたことで、かつて我が国の外務大臣、責任者がそのように答弁しておったということは、切り返しになるかもしれませんけれども、そのことをもって相手方がすべてそのことを認識するとは言いがたい点も、過去、日ソ、日ロの交渉の経過を見ますと非常にそういうことで、一つを取り上げてそれが事実だということを言われましても、相手方がすべての交渉の経過を認識し、それを納得してくれればよろしゅうございますけれども。
 もともとをただせば、それこそプチャーチンと我が江戸幕府との話し合いによる交渉から始まりまして、戦後でも、鳩山総理が、日ソ共同宣言によれば、平和条約によって二島が返還されるということも約束済みでございますが、フルシチョフの段階においては、既にそのことも交渉の中で、ロシア側はかなり否定的なことを申された経緯もありまして、一つ一つ我が方からいってこれが正しいものだということを申し上げても、交渉でございますので、その点については、これから始まる交渉について、できる限り我が国としての国益を踏まえて、我が国の主権を守りつつ、どういうふうな話し合いに入っていくかということでございます。
 大変歯切れの悪い御答弁をほかの委員の先生方に申し上げて恐縮でございますが、ぜひこの点は御理解をいただき、前向きに、二〇〇〇年までに何としても平和条約を締結するという方向に向かって、首脳同士の話し合いはこれからかなりの回数行われますので、一つ一つ積み上げていく努力をいたしてまいりたいと思いますので、御支援をいただきたいと思っております。

丸谷佳織
 憲法の「第五章内閣」第七十三条に、外交関係を処理するのは内閣の仕事だというふうに憲法で定められておりますので、国会に提出しなければいけないという義務はないというふうに憲法では解釈しようもあるのですけれども、やはりこういつた外交案件、そして国家主権にかかわる問題は綿密な、先ほど外交はステップアップして、段階を、層を重ねていくものだというふうなお話もありましたけれども、では次は、こうしたときにどういつだ対応をしょうとか、そういったことも特に外務委員会では話し合っていかなければいけないのではないかなというふうにも思われます。
 河野太郎代議士が中心になりまして、外務委員会の改革案、これはもう委員長の方に提出をさせていただいておりますけれども、この中で「秘密会」というのがございまして、「外務委員会および小委員会は必要に応じて秘密会を開催することができる。」ここで提示された情報を漏えいした委員は、速やかに外務委員会を除名されて、次の選挙が終わるまで外務委員会に籍を置くことはできない、こういった改革案もあるのです。
 最後の質問なんですけれども、こういった秘密会が設定された場合、そのときには、今お答えいただけなかったようなこともお答えいただけるようになるのでしょうか。

小渕国務大臣 今、私、政府の立場でございますので、国会のあり方について申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、往々に、外交の問題につきましては、諸外国の例を見ましても、秘密会等で本当に本質に触れてのいろいろお話し合いがされている国々が存在していることは、私も承知をいたしております。

丸谷佳織
 ありがとうございました。以上で終わります。