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衆議院・外務委員会質疑録 |
2002年11月13日 |
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池田委員長 次に、丸谷佳織さん。 丸谷佳織 大臣、連日、海外出張も含めて大変精力的に外交活動をされていることに、本当に心から敬意を表します。 また、十月の十一日―十四日、外務大臣はロシアに訪問されまして、イワノフ外相と会談等を行われました。この成果につきましては、四島の一括返還に向けた新たな日本の外交姿勢の仕切り直しとして、非常に高く評価をさせていただきたいというふうに思います。 今回の外務大臣のイワノフ外相との会談の結果、外務大臣としまして、近い将来の領土交渉再開に向けて、どのような手ごたえをお感じになって帰られたのか、この点についてまずお伺いをします。 川口国務大臣 十月にロシアを訪問いたしまして、そのときには、イワノフ外務大臣とお話をし、それからプーチン大統領に表敬をいたしました。 プーチン大統領から、イワノフ外務大臣も同じような趣旨のことをおっしゃいましたけれども、日本とロシアは、過去から引き継いだ問題、領土問題というのは二十世紀の問題を過去から引き継いだ問題であって、これを我々として解決していかなければいけない、日ロ平和条約をつくることについて、日ロ両国で相談をして協力をしていかなければいけない、そういうお話がございました。 丸谷佳織 そうしましたら、例えば平和条約締結問題が日ロ関係の重要課題である、当然これは相互理解をされて帰っていらっしゃったわけなんですけれども、プーチン大統領がおっしゃるように、過去から引き継いだ問題のすべてを解決していくという言葉を踏まえますと、平和条約締結の重要性とともに、平和条約の締結に向けては領土問題が重要である、この二つの同時並行的な認識に両国は立ったというふうな理解でよろしいでしょうか。 川口国務大臣 同時に、私が行きましたのは、総理が一月にロシアを訪問なさいますので、その準備ということでもございますけれども、日本とロシアの間で善隣友好に基づく創造的なパートナーシップをつくっていくことが重要であるということでございます。 これにつきまして、我々として行動計画というものを一緒につくって、幅広い日本とロシアの関係を築いていくということが大事であるというふうに考えておりまして、この行動計画というのは、今後の日本とロシアの間の関係を律する海図のようなものでございますけれども、それを今度総理が行かれたときに、プーチン大統領との間で合意をした上で進めていくということが、日本とロシアの関係を二十一世紀にふさわしい新しい関係としてつくっていくことのために重要であると考えまして、この点については、イワノフ外務大臣と話をし、内容の詰めの議論をさせていただきました。 丸谷佳織 領土返還、帰属も含めた議論と、また四島一括返還という問題に関しましては、やはりこれは日ロ間相互、国益もあり、また国民感情もそれぞれあるだろうと思います。また、新たな議論をするに当たって、私もロシアの外交当局の方とお話しするときに、やはり積極的な相互依存関係を築いていかなければ、領土問題の解決というのはなかなか弾みがつかないでしょうというような意見交換をさせていただきました。 外務大臣も、イワノフ外相に、日本の輸出はロシアに対して四〇%伸びていて、また融資に関しては二倍になっている等の経済協力のお話、経済の重要性もお話をされたというふうに思いますけれども、逆に一部には、ロシアは欧米の方を向いていて、欧米主義であり、なかなかアジアという視点は今のプーチン大統領はお持ちではないのではないかという声があり、また、アジアの中でも今ロシアが目を向けているのは中国である、マーケットとしての中国というところに目が向いていて、日本にはなかなか目が向いていないのではないかという指摘もあります。 この相互依存関係というものを築いていく上で、経済の協力も必要でしょうし、また、小泉総理大臣が来年の一月に訪ロをされたときに行動計画を発表されるわけですけれども、この六分野における幅広い交流を築いていくということに関しては大賛成なんですけれども、これを例えば具体的にどのような方向性で持っていこうとされるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。 川口国務大臣 委員もおっしゃいましたように、近隣の重要な二国間の関係をとったときに、どの二国間関係よりも我が国とロシアとの間の関係は弱いリンクであるということでございまして、この旨を私はイワノフ外務大臣にも、そしてプーチン大統領にも申し上げました。 先ほど申し上げました行動計画というのは、まさに委員もおっしゃった六つの分野について協力をして進めていきましょうということでございまして、その一つが経済の協力でございます。 そうしたことを進めながら、そして、日本とロシアとの間の関係を相互に依存するような、相互に重要な関係にしていき、国際舞台における国際的な課題への協調をした対応も含めて、いろいろな分野で協力を進めながら、その六つの分野の一つである平和条約、四島の帰属の問題を解決して平和条約を結んでいきましょう、そういう考え方でございます。この行動計画に具体的な中身をいろいろ書き込んで発表するということになると思いますので、それを進めていくということが大事だと思います。 丸谷佳織 積極的な相互依存関係、国対国もあれば、地域対地域もあり、また人対人といった、それぞれのまた細かな分野というのは当然あると思うんですけれども、外務大臣がイワノフ外相との会談の中でテーマにしていただきましたサハリン支援についてちょっとお伺いをしたいと思うんです。 大臣より、隣接するサハリン州とまた日本の関係の重要性を認識した上で、九三年からサハリン州における改革を支援してきた、ところが、支援委員会を廃止することになったので、サハリン支援というもの自体が従来のような額とかあるいは形態ではすることができないとおっしゃった上で、同時に、北方四島周辺水域における操業枠組み協定の重要性について指摘をされまして、枠組み維持の意向をイワノフ外相に述べられました。 その答えとしまして、イワノフ外相より、サハリン支援の廃止は枠組み協定の存続に困難な問題をもたらし得るとしたものの、ロシア外務省としては、協定の存続に向けて国内関係者に働きかけていきたい旨、御回答があったというふうに聞いております。 これは、四島周辺水域で操業をしている漁民ならずとも非常に深刻な問題の一つであり、また、枠組み協定が通常であれば年末に行われるということから、非常に急を要する問題だと思うわけなんです。 何か事があるたびに、外務大臣からロシア中央に対しては、外務省経由で安全操業についての申し入れをしていただいているものの、現実は、ロシアの方を見ると、ロシア中央からサハリン州、またそこの周辺で漁業をされているロシア側の漁民の皆さんにはなかなか意向が伝わりづらいのかなというような実感をしている、この難しさがある中で、この枠組み協定に向けて日本政府としてどのように取り組んでいかれるのか、この点をお伺いします。 川口国務大臣 この枠組みは、北方領土問題に関する我が国の立場を害さないという大前提のもとで、北方四島周辺水域における我が国漁船による安全操業を実現させるというものでございます。これは、領土問題解決のための環境整備としての意義を持っておりますし、本件の枠組みが確立をされた後、この水域での操業をしているときに拿捕や銃撃といった事例がない、なくなったということで、日ロ間の種々の分野での協力の進展にも貢献をしてきたというものでございます。 このような意義にかんがみて、この枠組みがまさに日本とロシアの両国の利益に合致をするものであるということについて、私はイワノフ外務大臣にお話を申し上げ、そして、ロスカボスで小泉総理からカシヤノフ首相にもお話をしていただいたということでございます。 来年の操業について、まさに十一月から、モスクワで今交渉が行われているところでございまして、この妥結に向けて全力を尽くしたいということで考えております。 丸谷佳織 全力を尽くしていただきたいというふうに思いますし、両国にとって非常に理にかなった協定であるというふうに理解をしているわけなんですけれども、今回のイワノフ外相の御回答にもありましたが、四島支援とこの枠組み協定というのがある程度一致をしてとらえられていたのかなという反省点もなきにしもあらずかと思うんですが、この点についてはいかがお考えになっているでしょうか。もしこの反省点があるのであれば、来年以降、枠組み協定維持に向けた新たな政策というのが必要になってくると思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。 齋藤政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど先生、四島支援というふうにおっしゃいましたけれども、恐らくサハリン支援のことをおっしゃっておられるのかなと思いますので、そういう前提でお答えさせていただきます。 サハリン支援は、先ほど大臣の御答弁にもございましたけれども、九三年以降、ロシアの市場経済への移行をスムーズにするという観点から、ロシアにおいて七つの日本センターを通じて実施してきているものでございますけれども、サハリンにおいても、そのうちの一つのセンターがユジノサハリンスクにございまして、実施してきております。 それに加えまして、九八年以降、この枠組み協定ができましてから、この枠組み協定と直接の関係はないわけでございますけれども、現実にサハリンがこの操業水域を管轄しているという観点にも着目いたしまして、サハリンとの関係を円滑に進めることが重要であるという観点から、支援委員会を通じる毎年二億四千万円程度の支援を意図表明してきたという実態があるわけでございます。 それで、今年度末にはこの支援委員会は廃止することにしておりますので、そうなりますと、来年度以降、従来のような形でのサハリン支援はできなくなるということでございまして、今週モスクワで政府間協議、それから民間漁業交渉が行われているところでございますけれども、枠組み協定が維持できるように最大限努力を今払っているところでございますし、また、支援委員会廃止後のサハリンに対する支援のあり方等につきましては、今後、政府部内で水産庁とも御相談しながら鋭意検討してまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。 丸谷佳織 実際にあそこの地域というのはやはり特殊な地域でありまして、日本が主張している二百海里内、領海という認識と、ところが現実は日本が主張しているような漁業が営めないという、ある程度ダブルスタンダードの中で生活をしているという地域でもありますし、これは極めて、外交力でしか、国と国の間でしか解決できない問題を抱えた地域でありますので、どうかそこの点を酌んでいただいて、国民の目線に立ったというか、生活に立った交渉というものも頑張っていただきたいというふうにお願いをいたします。 続いて、では、ロシアのエネルギー需要に果たす役割についてお伺いをしたいと思います。 十五日にも、先ほど来お話が出ていますが、イラクが国連の決議を受け入れるかどうかという日にちが迫ってきていますけれども、イラク攻撃の可能性が高まってくるにつれて、世界のエネルギー需要の不透明感というものも増しつつあると認識をしております。国連安保理がこの八日にイラクの大量破壊兵器査察問題に関する新たな決議を採択したことで、イラク攻撃が万が一にもあった場合の原油の供給混乱の問題についてもあらかじめ予測、対処をしておく必要性があるのだと思います。 仮にイラク攻撃というものが始まれば、九〇年代のあの湾岸当時のように中東原油の価格が高騰することは避けられないでしょうし、日本の原油輸入量に占めるOPEC依存度というのは二〇〇一年度ベースで約八七・一%の非常に高い水準にあることから、湾岸危機と同様な事態が発生した場合、我が国の体制というのは万全なのかどうか、この点についてお伺いをします。 川口国務大臣 石油についてどうかということですけれども、これは、経済産業省においてそのときの油についての対応は適切に対応していただいていると思いますけれども、私が理解をしておりますのは、我が国はずうっと国家備蓄と民間備蓄というものをやっておりまして、恐らく、全部足しますと百二十日を超えるぐらいの備蓄があると思います。――失礼しました。今、百七十日分あるということでございます。したがいまして、そういった備蓄を適切に使いながら、我が国としてはこの油の価格の高騰問題については対応していける、そういうことだと考えております。 IEAという国際的な組織がございますけれども、ここにおいても、こういった問題については常日ごろシミュレーションなどをやっておりますので、この問題に対しての対応は適切にできると思います。 丸谷佳織 では、大臣、お時間ですので退席していただいても結構でございます。ありがとうございました。 では、齋藤局長にお伺いをします。 最後の質問にさせていただきたいと思いますけれども、大臣がこの間訪ロをされたときに、イワノフ外相の方から、天然ガスパイプライン建設に対する日本の協力に強い期待を表明しているという趣旨のお話があったと思いますけれども、政府は、今後これにどのように対応していこうとされているのか、この点について最後にお伺いします。 齋藤政府参考人 サハリンにおきますエネルギープロジェクトでございますが、現在、サハリンの沖合に六つのプロジェクトが進行しておりますけれども、そのうちの二つに日本の企業が参加しております。サハリン1、サハリン2でございます。 それぞれ生産物分与契約ということでやっておりますけれども、日本の企業が、サハリン1については三〇%、サハリン2については四五%ということでやっておりまして、このパイプラインのお話は、今先生御指摘になったものはサハリン1の方に関連するものでございます。 大口の顧客を獲得するという課題はございますけれども、やはりエネルギーの確保または地理的な近接性といった観点から、サハリンのプロジェクトも関心を持っているわけでございまして、我々としては、この企業の今後の動向等を見ながら、必要な範囲内において側面から協力できることがあれば検討してまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。 丸谷佳織 ありがとうございました。 我が国にとって、多様なエネルギー資源の保有というのは非常に重要な問題でもございますし、ロシアは、今やサウジアラビアを上回る産油国でありながらOPECに加盟していないということで、既に欧米系のメジャーの会社などがロシア投資に拍車がかかっているということも踏まえまして、日本もより積極的な協力体制というものを考えていくべきだというふうに私は主張しまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 |