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衆議院・外務委員会質疑録 |
2002年6月12日 |
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吉田委員長 次に、丸谷佳織君。 丸谷佳織 公明党の丸谷佳織でございます。 参考人におかれましては、本日、御意見を賜りまして、本当にどうもありがとうございます。 時間も短いので、早速質問に入らせていただきたいというふうに思いますけれども、我が国の平和と安全、また北東アジアという地域性を見たときに、やはりこの北朝鮮との問題というのは非常に大きな位置を占めてくるものだというふうに思いますし、また、我が国と北朝鮮を考えるときに、米支援の問題あるいはKEDO、それから拉致の問題という大きなテーマが横たわっているわけでございます。 米支援におきましては人道的な観点、あるいはKEDOにおきましては核拡散を防いでいくという大きな目的、ただし、政治の大きな使命として国民の生命と財産を守らなければいけない、この観点からいいますと、拉致問題というのは、我が国において最も高いプライオリティーを占めているというふうに私は認識をしております。 そこで、これらの点についてお伺いをさせていただきたいというふうに思うんですけれども、本日の御意見の中でもございました米支援の件なんですが、いろいろな雑誌あるいは世界週報等を見てみますと、米支援というものは、昨年、五十万トン日本が行ったわけなんですけれども、これはWFPを通じて行われた。このWFPを通じて行ったことが非常によかったという報告が載っておりました。 監査体制がうまく機能しているということでございましたけれども、実際には、先生のお話は若干違うようでございましたが、北朝鮮の中において、監査した地域とされなかった地域において地域差があるのかな、そのようにも思うわけですけれども、そうであるならば、本来の人道的な支援という意味で使われるならば、地域差なくすべての子供たちあるいは飢餓に苦しむ人たちに配られるべきで、全土的な監査体制を迫る必要があるかというふうに思ったわけですけれども、この点についていかがお考えですか。 佐藤参考人 今まで我が国の政府、正確に申しますと、村山内閣、橋本、小渕、そして森内閣、この四つの政権はアメリカのクリントン政権の方針に従って、いわば物を北朝鮮に与えることによって考え方を変える、俗にソフトランディングと呼んできた政策です。それから、金大中さんは、もっと別な意味で太陽政策という言い方をしておった。その結果どうなったかということなんですね。 我が国の政府が北朝鮮に支援した米は、一九九五年から二〇〇〇年までの間に百十八万トン、金額にして約一千七百億円です。これは物すごい量であり、金額ですね。御指摘のように、世界食糧計画を通じて援助したものが圧倒的に多いです。しかし、村山内閣のときは借款として有償援助で出したものがありますから。 我が国の外務省が直接北朝鮮に行って、先ほど御指摘があった二〇〇〇年の五十万トン、これを調査に行った佐藤審議官に、いかがでしたかというふうに私が直接尋ねました。私たちの見た範囲内においては配給されております、こう言っているんですね、見ていないところはわかりませんと。どこをどれぐらい見たんですかと聞いたら、一日とか二日、そこら辺をちょこちょこっと見たという話です。 それから、国の仕組みからいって、北朝鮮という国家の仕組みからいって、一番飢餓状況にある難民に配給が渡るというシステムにはなっておりません。 これは国家の仕組みを調べていただければすぐわかることですけれども、あの国は、国民を大きく言って三つに分けています。一つは、金日成親子に対して忠誠を誓う人たち、これを核心階層、時代によって違うんですが、これは大体人口が四百万ぐらいです。それから、北朝鮮で何か事が起きたら親子一族に対して敵対的行動をとるであろう、これが敵対階層、約四百万です。その中間に、動揺階層というのを規定しております。この三つの区分けによって、食糧の配給する量も質も全く異なるシステムになっています。 したがって、あの国のシステムからいって、外国から援助された食糧が平等に分配されるとか、一番困っている人たちに配給されるなどというふうなことは、システム上ないんです。 だから、そこを国連の世界食糧計画は承知しているのかどうか、私は、極めて疑わしいと見ております。あの人たちは、アメリカの議会でもそういう、今御指摘のような証言をしておりますし、いろいろなところでそう言っておりますけれども、それならば、なぜ、非政府組織の諸君が、自分たちが援助した食糧が一番困っている人に渡らないからもうこれで援助を打ち切ると言って、続々と引き揚げているのか。もう一度、世界食糧計画の対北朝鮮政策を検討し直す必要があるというのが私の意見です。 以上です。 丸谷佳織 そうしますと、今御発言の中にもありましたけれども、民衆というか、三階級に分かれている。それで、難民の話にもつながってくることだとは思うんですが、脱北者、今非常にふえております。脱北者は、九六年から九七年のピーク時には二十万から三十万ぐらい中国に潜伏していたという結果も出ているわけなんですけれども、このような大量の脱北者を生むような結果になっているのも、この北朝鮮の棄民政策というか、そういうものが背景にあるのかというふうに思われるんですが、この点についてはいかがですか。 佐藤参考人 御指摘のように、今私が説明したような三つの階層に分かれている。生きていかなきゃしようがないわけですから、一生懸命に中国へ出て、今先生が御指摘のあった二十万とか三十万という数字は、圧倒的にこれは出稼ぎです。一定期間働いて、そして戻ってくる、こういう人たちです。今、大使館に飛び込んでいる人たちは、ある意味では例外と考えていいと思います。 中国に出稼ぎをして働いて帰ってきた人たちは、実は、北朝鮮の外貨事情に大変大きく寄与をしている、あるいは、あそこで密貿易がやられておって、その貿易によって北朝鮮の食糧事情が賄われている、これが実態です。 それで、スペイン大使館に二十五人飛び込んだ後、一番国境を越える区間、激しい区間に北朝鮮は監視カメラを設置したんです。監視カメラを設置したら、今度は、みんな捕まっちゃいますよ。やみの商売をしておった人たちも捕まっちゃって、今、北朝鮮のブラックマーケット、やみ市には実は食糧が欠乏し出してきているという極めて深刻な事態が起きております。 したがって、ああいう、今回の瀋陽のような問題とか、外国の大使館などへ飛び込ませる、あのやり方が妥当なのかどうかということは、NGOの間においても非常に意見の対立を生んでいる、これが実態です。 丸谷佳織 では、もう時間がありませんので、最後に一つだけお伺いしますけれども、拉致に関しては、日本政府は八件十一名というふうに言っておりますけれども、実際にどのくらいの事案があるというふうに思われるのか、最後にお伺いします。 佐藤参考人 これはいろいろな説がございますが、四月二日だったと思いますが、ロイター通信が、日本の情報当局の話として、四十名という数字を発表しております。私が得ている話では、四十名というのは日本の領土から拉致された人たちですね。 この拉致に含めるか含めないかということは、どこに線を引くかによって人数がいろいろ違いが生じてきているという問題で、石原東京都知事は何か百名とか百五十名とか言っておりますね。だから、線引きによって人数が違ってくるという事情があります。 外国を旅行中によど号の妻たちが拉致をした人たち、外国だけではなくて、よど号の妻たちは日本国内からも拉致をしておることはほぼ間違いないです。この総数が二十名と言っておりますから、我々の推定では、多分、六十名台から、ひょっとすると七十名ぐらいいるんではないかというふうに推定をいたしております。 以上です。 丸谷佳織 以上で終わります。ありがとうございました。 |