衆議院・外務委員会質疑録
2000年5月12日

丸谷佳織 
 大臣がもう退席されるということですので、急いで、前置きをなしに、二点お答えいただきたいと思います。
 日ロ関係についての二点なんですけれども、先日、森総理がG8諸国を回られました。初訪問地がロシアだったわけなんですけれども、約二時間近くにわたりましてプーチン大統領との会談がされた。その中で、平和条約締結が両国にとって大きな意義があると。また、八月末に開催予定の日ロ首脳会談についても話し合われたと思うんですけれども、これを受けて日ロ首脳会談への展望、また、クラスノヤルスク合意の期限が近づいておりますけれども、このめどについて、これが一点。
 あと、ことしの二月にカフジ油田の採掘権を日本は失ったわけなんですけれども、一方、サハリンの油田、天然ガス開発プロジェクト、こちらの方は行われております。我が国のエネルギー政策上において、これは大変希望の持てるプロジェクトだと思うんですけれども、エネルギーの安全保障上における日ロ関係の必要性について。二点お答えください。

河野国務大臣 
 御指摘のとおり、総理の外遊の最初の地がロシアでございました。これは、いろいろ経緯があってのことでございますけれども、いずれにせよ、森総理と、当時はまだ大統領予定者であられたわけですが、プーチン氏との会談が行われて、私どもとして一番大事なことは、まずは、このお二人が人間的な信頼関係がきちんと構築できるかどうかということを一番のポイントにしておりましたけれども、これは極めてうまくいった。まあ、外務大臣が総理大臣のやったことをうまくいったと言うのもどうかと思いますけれども、大変いい会談であったというふうに思っております。たしか七時間近く、二人でいろいろと、いろいろな場面を持って話し合われたわけで、この話し合いの中で人間的な信頼関係は非常によくなっているというふうに聞いております。
 そこで、今お話しのように、クラスノヤルスク合意についても、つまり、これまで橋本・エリツィンあるいは小渕・エリツィン会談でつくり上げられました幾つかの宣言でありますとか声明でございますとか、そういうものは全部そのまま継承しようということをお互いが確認し合っておりますから、クラスノヤルスク合意も当然継承される。
 ということになりますと、クラスノヤルスク合意は、領土問題を解決して平和条約を締結する作業は二〇〇〇年までにできるよう努力しよう、こう書いてあるわけで、当然この努力は継続されるということでございます。御承知のとおり、今はもう二〇〇〇年の半ばになっているわけでございますが、しかし、この努力は最後までこのクラスノヤルスク合意の精神にのっとってやりたいというふうに私どもは思っております。
 そういう意味で、八月のプーチン氏の訪日は非常に重要だと思っております。もちろん、七月のサミットにもプーチンさんは日本に来られ、さらに一月置いてまた来られるというわけでございますから、森総理は短期間に三回、かなりしっかりとした会談をされるわけで、この八月の森・プーチン会談というものは非常に重要な会談だというふうに見ております。
 それから、エネルギーの問題についてお触れになりました。
 確かに、我が国のエネルギー問題は、自国に供給能力がないわけでございますから、安全保障の面から考えても、これは余り偏らずにさまざまなところからエネルギー源が供給されるということが重要なんだというふうに思います。そういう意味でも、サハリンのプロジェクトというものも一つの十分考えなければならないところというふうに思っております。これは、これからの日ロ関係をずっと視野に入れて考えても、こうした問題は極めて重要な問題として考えていく必要があるというふうに思っております。

丸谷佳織
 ありがとうございました。
 ただいまの御答弁をいただきまして、実際には平和条約締結のめどについてはなかなかお触れいただけなかった、今まだ対話を重ねて努力を重ねている状況だというふうに認識をさせていただきたいんですけれども、北方領土の返還についての認識については、あるいはこの北方領土を今後どのように解決していくのかという方向性については、日ロ間で非常に温度差があるなというふうにも考えているわけなんです。今後、この領土問題を平和条約締結と切り離して考えていくのか、あるいはここを入り口論としてしっかりと固めていくのか、これについても今後大臣の出席される委員会で質問をしてまいりたいというふうに思います。
 続きまして、総括政務次官に沖縄サミットについてお伺いをさせていただきます。
 今回の森総理のG8の首脳訪問は、いよいよ森外交が本格的に始動したなという印象を受けておりますけれども、実際には九州・沖縄サミットに向けての協力態勢の確認ですとか、そういったことがテーマになったのであろうというふうに思います。我が国が今回は議長国ということで、しかも開催地が沖縄ということを考えますと、日本の中でも非常に独自の文化を持ち、またアジアらしい地域で開催することになるんだというふうにも思います。
 実際には、今までの報道の中でも、我が国がどのような構想を持ってサミットを行おうとしているのかという点は余り報道されていないように思うわけなんですけれども、実際にG8の首脳訪問を終えて、そういった構想もそろそろ固まってきていらっしゃるのではないかなというふうに思うんです。
 今まではアジアの視点を生かしていこうというような主張が聞かれてきたんですけれども、実際にサミットまであと二カ月となった今、またG8首脳訪問を終えた今、サミットにアジア色をどのように生かしていこうとお考えになっているのか、またそのためにどのようなテーマをサミットで取り上げようとされているのか、お伺いします。

江崎政務次官 
 丸谷議員御案内のように、九州・沖縄サミットは七年ぶりにアジアで開催されるサミットであります。これを踏まえ、アジア諸国と歴史的つながりの深い沖縄で開催されることも非常に意義あり、こうしたことを勘案しながら、グローバルな視点に立ちつつも、今回河野外務大臣が東南アジア諸国を訪問、聴取されたアジア諸国の関心事、これらについても十分議論がなされるものと確信をいたしております。
 具体的には、グローバル化とIT革命の進展が急速に進む中で、開発の問題や国際金融システムの問題、そしてITにかかわるさまざまな課題などに対して、アジア各国の関心が非常に高まっておるさなかであります。グローバル化が進展する中で文化の多様性をいかに活力の源としていくかがアジアの共通の課題であると考えております。
 そして、九州・沖縄サミットは、こうしたアジア諸国の非常に関心の深いことについてもじっくり議論し、二十一世紀がよりすばらしい時代になるといった希望をすべての人が抱けるように、明るいメッセージを発信しなければならないと考えております。

丸谷佳織 
 ありがとうございました。
 今総括政務次官がおっしゃられましたように、実際にアジア諸国にとって共通の関心事をじっくりと話し合っていただくとともに、日本を含むアジアという地域を考えましたときに、やはり今経済的な問題、さまざま諸国によって違いますけれども、あるいは安全保障の問題等、非常に大きな悩みを抱えている地域がアジア地域だというふうにも言えると思いますので、本当にこのアジアで、しかも沖縄でサミットを成功させることで、アジアからの平和の発信、あるいはアジアからの二十一世紀の希望への発信ができるようなテーマを取り上げて、それをぜひアピールしていただきたいというふうに思います。
 また、先ほどの御質問にもあったと思うんですけれども、昨年のケルン・サミットにおきまして重債務貧困国に対します債務の取り消しがテーマに挙げられておりました。日本は世界最大の債権を持つわけでありまして、今回のサミットの中でもこの取り消しについて議論されるであろうと先ほど外務大臣も答弁されていらっしゃいました。
 ケルン・サミットにおいて、例えば国際的なNGOでありますジュビリー二〇〇〇、御存じだと思いますけれども、サミット会場を約三万五千人の人の鎖で包囲しまして、議長国ドイツの首相に一千七百万人分の署名を届けたという行動もとっておりますし、今回日本が議長国となりますこのサミットにおいてもまた同様の主張をするような報道もなされております。
 私自身としては、日本がこの取り消しについてどのように対応していくかを考えるときに、ODAとの整合性もありますし、すべて取り消しにすることが外交上是とはしないわけなんですけれども、こういった声が上がってきたときに日本としてどのような対応をし、各国に日本は、例えば帳消しするのであればこういう理由だからする、あるいはしないのであればこういう理由だからしないといった意思表明をきちんとしていくことが大切だというふうに思うんです。その用意はできていらっしゃるのかどうか、お伺いします。

江崎政務次官 
 先ほど、特に重債務貧困国の債務問題については外務大臣からもいろいろお話がございました。特に昨年のケルン・サミットで合意された債務救済イニシアチブの迅速な実施が国際的に急務であるといったこと、先生御案内のとおりであります。
 特に今回の九州・沖縄サミットに向けてこの点が重要な課題になるだけに、我が国としても、議長国として他のG7諸国や国際機関とともに最大限の努力を払っていくべきであります。
 特にこの関連で、御質問にありましたが、先般我が国は、国際的枠組みのもとで、非ODA債権の削減率九〇%から一〇〇%への拡大、そして多国間債務救済のために世界銀行に設けられた信託基金に対し、既拠出分と合わせて合計二億ドルまでの拠出を含む新たな措置を発表いたしました。そして、特に、委員お触れになりましたが、この債務救済が貧困問題解決の万能薬ではないといったことであるとき、そうした見地から、途上国の中長期的な発展の観点から、途上国の開発問題全般への取り組みを強化していくといったことが非常に重要になるのではなかろうか。それに向け、我が国も引き続き積極的に取り組んでまいります。

丸谷佳織 
 そういったことで日本のお金を使っていくということは、国民に対しても説明をしなければいけないわけですし、また、するならする、しないならしないで各国に対してもきちんと説明をすることによって、特にODAですとか、日本が拠出することは顔が見えないという批判も聞かれてしまうわけですから、今度はこういったことがないような取り組みをぜひしていただきたいと思います。
 今申し上げましたように、国際会議とNGOの関係が今非常に深まってきているということもできます。ニューヨークの方で行われましたNPTの再検討会議の方でも、初めてNGOの代表の方が、我が国は、広島と長崎を代表しまして伊藤長崎市長が本会議で発言をされる機会があったというふうにお伺いしております。また、対人地雷禁止条約ですとかあるいは昨年のWTOシアトル会議などでも、NGOの影響力が非常に深まってきておりますし、NGOが会議の成功を左右すると言ってもおかしくない状況になってきております。また、今回の沖縄サミットに向けてもさまざまなNGOの方が動き出しているわけなんですけれども、政府とNGOのこの協力体制について我が国はどのように考えていらっしゃるのかという点。
 あわせて、ニューヨークのNPT再検討会議の方では山本政務次官が御発言をされたので、きょう来ていただいておりますけれども、例えば核軍縮ですとかそういった問題に関しては、やはり国益を前提に話し合うことが、決着をつけることができないケースがあるわけですね。国益を超えて人類益というところで考えなければ解決しないケースもあるわけで、例えばこういった核軍縮といったようなテーマを議論するときに、NGOが果たす役割というのが非常に大きいというふうに私は思うんです。国際テーマ解決、特に核軍縮という二十世紀に残された世界の最大のテーマであるこの問題の解決の推進にNGOは非常に大きく影響してくる、また、そのNGOと日本が協力体制をとることによって解決の早道になるのではないかというふうに思いますが、この点についていかがでしょうか。

山本(一)政務次官 
 国際会議等においてNGOの重要性がますます大きくなっているという点につきましては、まさに先生のおっしゃるとおりだと思います。
 最初の御質問ですけれども、政府としては、NGOとの連携という点ではもちろん力を入れておりますし、これまでも、例えば開発援助とか環境とか貿易とか、そういったNGOとの対話を一生懸命進めてまいりましたし、今回の九州・沖縄サミットの成功に向けてもNGOとの対話を非常に重視しているということで、議員御記憶かもしれませんが、ことしの三月だったと思いますけれども、小渕前総理が連合あるいはジュビリー二〇〇〇と対話を持ったり、あるいは外務省の経済局の石川審議官が大体二十か三十あるNGOの団体との対話を三月にやったりしまして、非常に重視をしております。
 特に沖縄サミットについては、これも多分先生御存じかもしれませんが、NGO担当課長を設けまして、四月からサミット広場というホームページをつくりました。ちょっと資料を持ってきたのですけれども、どのくらいNGOとか市民の方々からのアクセスがあったかなと思ったんですけれども、今のところ十七件なんで、これはまだまだこれからという形なんで、今、少ないという御意見もあったんですけれども、これからさらに宣伝に努めていきたい、広報に努めていきたいと考えております。
 それからNPTの方なんですが、この点についても、先生のお考えに私も個人的にも非常に共感を覚えるところもあるんですが、NGOがこういった世界平和とか核軍縮に興味を持って行動するということは非常に意味がございます。
 先生おっしゃったように、地雷禁止キャンペーンにおいても大きな力になったわけなんです。今回、NPTの運用再検討会議に大臣のかわりに行きまして、その際、ちょっと私の方も強く希望を出して、ミドル・パワー・イニシアチブ、中堅国家構想という核軍縮の世界では非常に著名なNGO、ダグラス・ローチというカナダの上院議員が代表なんですけれども、ここと会いましていろいろな意見交換をしてまいりまして、日本の役割についても、東京フォーラム等については高い評価をしているというような御意見もいただきました。
 いずれにせよ、今先生のおっしゃったような話なんですが、今後ともいろいろな機会をとらえて、NGOとの対話、いろいろな連携を通じて、核軍縮とかあるいは核拡散防止に対する日本の立場をいろいろなところに発信していくという努力は続けなければいけないというふうに考えております。

丸谷佳織
 引き続きNPTの再検討会議についてお伺いをしたいと思うんですけれども、前回のこの再検討会議が行われた九五年からこの五年間を見てみますときに、例えばインド、パキスタンの核実験ですとか、あるいはアメリカ上院におきますCTBTの批准の否決など、人類が標榜しています核軍縮と不拡散というものに逆行するような流れができているというのも事実ですし、特に、核保有国の核軍縮に向けた積極的な取り組みがなされないことに対します非保有国の不満というのが続出しているというのも当然のことだなというふうに思うわけです。
 こうした環境のもと、今回の再検討会議は二十一世紀に向けての核軍縮への試金石であったというふうに思いますが、報道を見る限りにおきましては、ますます深まっていく保有国と非保有国の対立、あるいはアメリカとロシア、中国間の対立が表面化してきたなど、とても希望を見出せるような状況ではないような気がします。
 また、実際に今、日本が置かれています状況を考えますと、周辺には、軍拡を広げている国がありますし、あるいは核開発疑惑国というものもございます。そして、日本が唯一の被爆国であるということを踏まえて、今回のこのNPTの再検討会議を成功裏に導くために日本が強いリーダーシップをとっていくことが重要だというふうに思うんですけれども、今会議での核軍縮そして不拡散にかかわります追加的目標採決の見通しをお伺いします。

山本(一)政務次官 
 文字どおり、今先生がおっしゃったように、核軍縮それから核不拡散をめぐる状況は昨今厳しいものがありまして、前回の会議から考えても、今おっしゃったような、インドとパキスタンの核実験があったり、CTBTについてはアメリカの上院の批准否決があったり、そういう厳しい状況であればこそ、まさに委員のおっしゃったように、今回のNPT再検討会議を成功させるということは非常に大切だというふうに考えております。
 日本としてはその中で、まさに調整役としての立場で八項目提案というものも出しましたし、この会議の成功に向けて今全力で取り組んでおる。外務省の方からは、軍縮担当の登大使や、あるいはウィーンの代表部の大使の阿部大使やあるいは前池田大使等を今送り込んで議論をぎしぎしとやっているところです。大体来週末ぐらいまでこれが続きますので、そろそろ、かなり正念場といいますか、最終文書等に向けてまたいろいろな話し合いが行われているところで、今先生がおっしゃった見通しなんですけれども、必ずしも予断を許さないところがあると思います。もちろん希望を持って、しかもできるだけの努力をしなければいけないと思いますけれども、これは必ずしも予断を許さない状況だと思います。
 簡単に言いますと、大きく問題になっている点が二点あります。それは、まさに先生が御指摘になった、核保有国のこの間の声明が前回の合意を再確認しているにとどまっている、やはりそういう評価が一部あるものですから、ここをどうやって新アジェンダ連合等との間で調整をつけていくか。それともう一つは、中東の問題がございます。イスラエルを名前として入れるかどうか、こういうような議論がありますので、ここら辺を踏まえながら、まさに議員のおっしゃったように、NPTの再検討会議を成功させるという観点から、きちっとした成果が得られるように今努力をしているところです。

丸谷佳織
 引き続き本当に全力で取り組んでいただいて、今回は日本のリーダーシップによってここが追加された、採択されたという喜ぶべき結果をぜひ出していただきたいというふうに思います。
 最後に、総括政務次官、先月の二十七、二十八日、日本で行われました海賊対策国際会議の方に御出席されたというふうにお伺いしておりますので、この件についてお伺いしたいと思います。
 以前、約二年前になるかと思うのですけれども、この外務委員会でシーレーン外交についてお伺いしたことがあるのですけれども、最近特に海賊被害について報道されることが目立つようになってきたというふうにも思っております。運輸省の公益法人であります日本財団の調査によりますと、日本の海運会社のタンカーや貨物船が受けた海賊の被害というのは、昨年で三十四件、総額にしまして被害額が約十三億円と、決して見過ごすことのできない大きな額になっております。
 特に昨年の十月、マラッカ海峡の付近で海賊に乗っ取られましたアロンドラ・レインボー号の事件は記憶に新しいところなのですけれども、貿易立国であります我が国にとって安全な航海ルートの確保というのは非常に大きな意味がありますし、また、アジアの経済地域においてもそれは大きな影響力を持ってくるというふうに思います。
 今回、日本で開催されました海賊対策国際会議において、アジア海賊対策チャレンジ二〇〇〇というものが採択をされまして、参加国の海上警備機関の連携等の強化を図っていくということが確認されたのは大変大きな一歩だなというふうに思うのです。
 ただ、ここで問題となってきますのが、参加各国が自国の沿岸海域において取り締まりを強化しようとするときに、アジア経済危機以来引き続いています経済の困難な面を考えますと、実際にこの警備体制というのが充実できるのだろうかという疑問が出てくるわけなのですね。海賊というのは、東南アジア海域、特にシンガポールとかマラッカ海峡付近で発生しているのがほとんどなわけなのですけれども、実際には沿岸国の領海内で発生をしているということを考えると、実際に取り締まるには沿岸国の警備当局に頼るしかないというのも事実でございます。
 そこで、例えばインドネシアなのですけれども、インドネシアに対しますODAの我が国の基本方針というのは、我が国の海上運送にとって重要な位置づけがなされているというふうになっているのですね。これを考えまして、海賊行為の厳重な取り締まりに必要な体制をつくるためにODAを積極的に活用していくということはお考えになっているかどうか、お伺いします。

江崎政務次官 
 丸谷先生御承知のとおり、ここ数年、大変日本船の被害も多くなっております。四月の二十七、二十八と海賊対策国際会議、私も出席させていただきましたが、特に今先生御指摘のODA支援の充実、これについては、海賊問題はそれぞれ各国の取り締まり体制づくりがまず重要な問題でもあります。我が国としても、海賊対策のためにODAを活用して、協力できることについては協力しなければならないといった考えを持っております。
 他方、ODAを通じてどのような協力ができるのか。警察等公権力を行使する機関に対する協力が人権抑圧に利用されることなどがあってはなりませんので、これは慎重に対応しなければならない。
 いま一つは、ODAの実施に当たって軍事的用途への使用を回避することを求めるODA大綱の原則を踏まえることが何よりも大切であります。何よりもケース・バイ・ケースで今後検討していかなければならない重要な課題であります。
 先ほど私も会議に出席してといったお話がございましたが、特にこの会では、それぞれ参加国、十七カ国、一つは香港が含まれておりましたが、特に関係各国で合同訓練、専門家の会合について、ODAを活用することも問題になりました。
 公権力行使との関係、ODA大綱の原則、それぞれを考慮しつつこれからも対応をする。特に、議員から御指摘のございました点を十分踏まえて、関係各国からの要望もしっかり受け入れながら日本が対応するべきといった強い気持ちを持っております。特に、先般の海賊対策会議では、まず情報ネットワークの徹底、問題が起こったらそれぞれ参加国がいち早く連絡体制がとれるようにといった、この原点から入らせていただいたことを御報告申し上げます。

丸谷佳織
 ありがとうございます。
 また、今後引き続きこういった検討に合わせまして、海賊取り締まりのためのローマ条約、これはアジアでは日本と中国しか加盟していないわけですから、こういったアジア諸国がこのローマ条約に加盟していくような日本からの働きかけもあわせてお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。以上、ありがとうございました。